前橋駅南口から南へまっすぐ、下川淵方面へ向かう旧道がある。この道はかつては主要な道路だったが、現在は県道の付け替えであまり交通量のない裏道になってしまった。
その道を通っていると、道ばたにミニチュアの城と五重塔のがあるのに気付く。
これはこの土地に住んでいたおじいさんが作ったものなのだそうだ。その人はもう亡くなっているが、いまでもミニチュアは健在。「
こうした道ばたのミニチュア建築は、私の知る限り圧倒的に城と五重塔が多い。次点は陽明門であろうか。平等院とか金閣寺などがあってもよさそうなものだが、いまだ見たことがない。城が多いのは、「一国一城の主」願望の現れなのではないか。
そしてもう一つの特徴が、建物の全体の形や比率が実物に忠実ではなく、思い込みが強く現れているという点であろう。
たとえばこの五重塔では、鳥居があるというのがまずおかしい。しかも一階が鐘撞き堂になっている。
こうやって拡大してみると、なんだかここに入って行けそうに見える。実際には45cmくらいしかないのだ。
材質は鉄板と鉄筋。
これを作った人は鉄工の仕事をしていたのだろう。頑丈な作りでペイントもされているので、すぐに風化することはなさそう。
いつまでもこうして通行人の目を楽しませてほしいと思う。
(2014年05月03日訪問)