公田の岩船地蔵

願掛けがかなうと赤い衣装を着せるという。

(群馬県前橋市公田町)

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公田城と同じ旧道に面した「岩船地蔵」を紹介しておこう。

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この地域では願掛けで有名な地蔵である。

以前は地蔵堂に収められたいたことがあったそうだが焼失した。その際地蔵が信徒の夢まくらに立って「自分はもともと濡れ仏なのでそのままにしてくれ」というお告げをしたという。そのため、お堂を建てることをしないのだという。

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イボ取りや病気の平癒の霊験があるのだという。身体の悪い場所が治ったときには、その身体の部位と同じところに赤い前掛けやずきんを着せるのだという。

このときは頭、胸、脚に布が巻かれていた。

書物などによれば、かつては願いがかなったときに「むかご(=山芋の実)」で作った数珠を掛けたという話もある。

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この地蔵が「岩船地蔵」と呼ばれる理由は、その基壇となっている岩が船の形をしているからである。

同様の地蔵尊が、利根川の少し上流の長松寺という寺にある。

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このあたりは「公田(くでん)」という字で、これは一般的には荘園の名残の地名だとされる。

(2014年05月03日訪問)