群馬
蚕種とカイコの卵のことである。近代のカイコはほとんどがF1種である。原種同士の組み合わせの二元交配種、あるいは、その子孫と原種をかけた三元、四元交配種といった改良された品種の卵を産ませていたのが蚕種組合、蚕種会社なのだ。
群馬県是蚕種協同組合はかつては岩神町4丁目、岩神小学校の南側にあったのが、現在の富士見町に移転したものだ。
岩神町の跡地には当時の施設の痕跡はなく、集合店舗ができて「繭の杜」という名前が残るばかりである。その名前とて、いつまで残るかはわからない。マンションが建ってもおかしくない立地だからである。
現在は、農業用のハウス(パイプハウス等)の施工会社になっているという。それでも、名前はいまでも蚕種協同組合のままだ。
最近、群馬県では遺伝子組み換えカイコの実用化を研究しており、養蚕農家でも遺伝子組み換え生物を扱うことを目指している。そのためには、カタルヘナ法という国際法の基準を満たせる飼育施設が農家にも必要となるが、この組合はその設備の研究を担当しているようだ。
ハウス施工が主な業態になったとはいえ、会社の庭には枝垂れ桑が植えられていてる。
桑も植えられていた。
(2012年08月27日訪問)