パアン市の庁舎などが並ぶ行政地区の中央通りから南の方角を見ると、正面にとんがった山がある。その山の頂上には白いパゴダがあり、夜になると参道に点々と明かりがつくことから、ずっと気になっていた山である。
前回の滞在の最後の休みに登ろうと試みたが、登山口が見つからず敗退している。
名前はふもとにあった僧院から「ジェーダ山」ではないかと思うのだが、「クラウナイン山」という説もあり、はっきりしない。
その山に再度チャレンジしてみた。
前回のときに入らなかった路地をひとつひとつ入っていくが、ほとんどは人の家につながっていた。
だが、今回はある路地に仏旗が立てられていた。ここが入口に違いない。
読めないが看板のようなものもある。
だがここを入ってみると人家で行き止まりになっていて、おばさんが出てきた。外国人が入ってきたのでびっくりしている。
カタコトのミャンマー語で「山に行きたい」と伝えたらわかってもらえて「それならウチの裏から登れるワ」といって案内してくれた。
これが山の登り口の目印。
といっても、人の家の裏みたいなところだから、普通に行ったら見つけられないと思う。
このサイトの右上の地図は、通常は寺の中心(本堂付近)の座標にリンクしているが、このパゴダに限っては、登山口の入口の場所にリンクしておく。
百段くらい階段を登ったところに、瞑想所のような場所があった。
小屋と洞窟の瞑想所があるが、お坊さんはいなかった。
小屋の内部を写真を撮らせてもらった。
瞑想のための部屋か、お坊さんが寝起きするための部屋かはわからない。
壁や屋根は、インペという葉で葺いてある。カレン州では粗末な建物でよく使われている建材だ。たたみの半分くらいの大きさのユニットになって売られている。
洞窟。
奥行きは5mくらいしかない。おそらく瞑想所だと思う。
ここから先は石段が急になる。
さらに雨季で頻繁に雨が降るため、石段は濡れて滑るので気が抜けない。
途中で見かけた陸貝。
殻が軟体で覆われている種類のカタツムリか、あるいは、コウラナメクジみたいな種類のナメクジの一種か。
オウム貝のようにひらべったく巻いた貝。大きさは1円玉くらい。しかもカタツムリとしてはめずらしい左巻きだ。
なにしろ地面もどこも濡れているので、たくさんの陸貝が活動している。
石段は急で、ただでさえきついのに湿気は100%。すぐに汗で服がびしょびしょになってくる。
山登りには向かない季節だ。
登りはじめから20分ほどで山頂に到着。
山頂には全体に屋根がかけられているが、補修していないため、ほとんど屋根の意味をなしていない。
屋根の下は、お坊さんがくつろげるような場所になっていた。
他に、座禅堂と思われるものがあった。
座禅堂の内部。
山頂のいちばん高いところには白いパゴダがある。
町から見えていたのは、これだろう。
登ってみる。
ちなみに、ミャンマーではパゴダに立ち入るときは裸足になる必要があるのだが、このような登山系のパゴダの場合は、私はサンダルのまま登る。
最後の最後で、仏塔の前で履物を脱ぐことにしている。
途中の岩場などは、現地人は裸足でも大丈夫だが、日本人は裸足では登れないだろう。
山頂は風もあるため気持ちがいい。
汗も引いてくる。
パゴダからはほぼ360度の展望があり、眺めが良い。
これは西方向。サルウィン川が見える。
郊外なので建物は少なく、ほとんどが水田だ。
ミャンマーの水田には農道がほとんどない。耕耘機や車はあぜを踏み壊して入って行くしかない。
緑色の並木が見えるが、道ではなく水路。
これは北方向。さっき見たお坊さんの休憩所がある。
前回のとき、あの白いパゴダに行ったなあ。
あのとき歩いて横断した田んぼも今は水が張ってあるので、近道はできない。
四角の敷地のパゴダも見える。これも前回に行った。
北側のパアン市の方向。
途中にはアーミーの施設が多い。
ミャンマーではとにかく軍施設がたくさんある。しかも便利なよい土地が軍施設になっていることが多いのだ。
水田とヤシの木。
東南アジアらしい風景。
南西の方向から黒い雲が広がってきた。
一雨来そうなので慌てて下山することにした。
(2014年07月06日訪問)