AH1号線のパアン大学から少し東へ行ったところの道端に、謎の寺がある。
仏塔などはなく、普通のお寺のフォーマットとは明らかに違っている。夜通ると電飾がともっているので目立つが、昼間は気をつけていないと素通りしそう。
扁額には「ミョードシンポポジィ・アパウニィナナン」とある。「町のおじいさん・ウニ翁の、精霊の祠」というような意味らしい。
ウニ翁が誰なのかはわからない。
ナッには有名な37柱の神がいるのだが、その中にはウニという人はいないと思う。
入ってみた。
壁に小さなブースが並んでいて、それぞれにナッ神が祀られている。ミャンマーの寺の外陣にありがちな構成だ。
ただ、通常の寺だと中心に仏陀の像があるのだが、この祠は壁際にしか像がないので、妙に広々している。
祠には数人のおばあちゃんが集まっていた。
堂守りをしているらしい。
建物に入って正面は、モザイクミラーでぎんぎんに輝いているブース。
像も他のものよりも二回りくらい大きい。これが主神なのだろう。
ペットのトラや服装に特徴があるので、ナッに詳しくなれば名前も言えるようになるかもしれない。
緑色の照明のブース。
右側の神は、宝をもたらす国「タイ」から来るミャナンヌェという女神と思われる。タイを守る神々をタイネンシンといい、ミャナンヌェはそのひとり。緑色の服が特徴なので、判別はしやすい。
これは、ズェガビンの兄妹神。
ナッ信仰にはローカルの神もあるのだ。
ピンク色のブース。
お供えものが多い、人気のブース。
ココヤシの実とバナナをボウルに盛りつけたものが、ナッ神にはよく捧げられる。
これらは、たぶん37柱の一部だと思う。
日本でいうと十王堂や番神堂みたいな、複数の神像を集めた堂が、ミャンマーのナッ信仰にもある。
いずれ、37柱すべてを見つけて紹介したいものだ。
モザイクミラーって、幻惑効果があるな。
(2014年07月13日訪問)