ズェガビンロープウエイ寄進所

国道に作られた検問所のごとき寄進所。

(ミャンマーカレン州パアン)

7月最後の週末、少し遠出することにした。目的地はモン州の古都タトン(သထုံ)。滞在しているパアンからは片道で約50kmの道のりになる。

実はタトン行きは2度目。前の週の土曜日にタトンを目指したが、途中で雨になり、それでも天候が回復するかもしれないとタトンの町まで行ったが、結局雨が止むことはなかった。レストランで数時間過ごしてまた雨の中を帰ってきたのであった。その日の収穫といえば、日本風のオムライスを出すレストランを発見したことだけである。雨季の観光なんてそんなものだ。

そして再び土曜日。先週よりは天候もよさそうなので、再びタトンを目指すことにした。

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パアンから見てタトンはほぼ真西になるのだが、パアン市の西には大河サルウィン川が流れている。この地方唯一のサルゥィン・パアン橋はパアンの町から5kmほど下流に架けられているため、いったん5km南下、橋を渡り、5km北上という、行って帰って10kmの回り道が必要となる。パアンから西方面へ行こうとすると、毎回この10kmが地味に面倒だ。

そのサルウィン・パアン橋の東詰めになにやら里門(さともん)のようなものができた。たしか前回の滞在のときにはなかったと思うのだ。

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ズェガビン山にロープウエイを建設するための寄進所なのであった。

屋根があり、雨の日でも乗用車やバスの窓をあけて寄進できるようになっている。

ズェガビン山関係の寄進所は他の場所にもある。しかし集める金額も相当なものが予想されるうえ、2015年完成予定の進捗は遅れまくっているので、通行量の最も多い場所に検問所のごとき寄進所を作ったのであろう。

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寄進所の両側にはベンチが並んでいて、女の子が詰めている。歳のころからすると20歳前後であろうか。

長距離バスはこの寄進所のところでいったん停車し、女の子たちが車内に乗り込んで喜捨を集めるのである。もちろん寄進しなくてももまったく問題はないが、私はいつも寄進するようにしている。

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女の子が手に持っているオレンジ色のものは、30cmくらいに切りそろえ、10本くらいをまとめて縛ったヒモ。寄進するとこれをくれるのだ。

100円寄付してヒモをもらう。ミサンガみたいに手首に巻いてもいいのだろうが、私はかばんに縛りつけるようにしていたら、何回も通るうちにかばんがヒモだらけになってしまった。

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CGで描かれたロープウエイの完成予想図が展示されている。

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山頂から山麓駅を眺めるお坊さんの写真。

「うん、あそこがいいな、あそこに作ろう」

なんて言ってるのだろうか。

その後、聞いたところでは、日本のODAでこのロープウエイを作ることに決まったようだ。

(2014年07月26日訪問)

福岡の町並み (アクロス福岡文化誌 5)

単行本 – 2011/4/1
アクロス福岡文化誌編纂委員会 (編集)

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