マイカンユゥ洞窟寺から下山し、再びミャインジーグー街道を進む。左手には屏風のような山脈が続く。
洞窟寺の展望台からこの山のふもとに僧院があるのが見えていたが、特筆すべき伽藍もない地味な僧院のように見えたので立ち寄らずに通り過ぎるつもりだった。
ところが、展望台からは見えないアングルに磨崖仏があったのだ。
これは立ち寄らねばなるまい。
寺の他の伽藍が地味なのに比べて山門はすごく立派。あとでミャンマー人に山門の文字を読み下してもらったところ、「ティッサーディバディヨゥシントウパヤー」というように書いてあり、「まるで生きているような、ティッサーディバディヨウシン仏のある寺」というような意味らしい。
ミャンマーの寺の名前はとにかく長いのが多い。「○○山の上にある、願いのかなう黄金の○○仏のある寺」とか、そんな感じだ。この寺の名前も長すぎるので、勝手に「ティッサーディ大仏」とした。
磨崖仏は崖の少し高い位置に彫り込むようにつくられている。大きさ的には充分に大仏といえそうだ。
大仏本体の高さは6mほど。ミャンマー基準では控えめな大仏といえるが、逆三角形のお顔やペンキで描かれたエリンギみたいな樹が個性的。
これは、樹下観耕ではないか。釈迦が王子時代にムラサキフトモモという樹の下で、耕作する農民やそのとき土から出た虫が小鳥に食べられる場面を見て、世界の無常を知ったという伝説に基づく場面だ。
主だった伽藍。
背後に絶壁を背負っているので、境内の風景には迫力がある。
講堂と思われる堂宇。
得度堂と思われる堂宇。
ほかに、インペの葉で葺いた薄暗そうな小屋がいつかあった。
中では煮炊きをしている。
修行僧が寝起きする僧房ではないかと思う。
民家としては草葺きの家は珍しくないが、たくさんの修行僧が寝起きする僧房で、草葺きの粗末な建物というのはめずらしい。
仮設的なものなのだろう。
大仏の足下まで行ってみた。
足場が組んである。これから基壇部分を彫り込むのかもしれない。
大仏に登る方法はなさそうだった。
参道は2車線の幅がある。
これからまだ建物を増やす計画なのかもしれない。
その後、境内裏の崖に鍾乳洞がオープンしたため再訪した。
(2014年11月08日訪問)