弘憲寺。真言宗のお寺だ。

山門は薬医門。

本堂は唐破風向拝が目立つ入母屋のお堂。

内部は不動堂であった。

その左側には自称、持仏堂というものがあった。周りには堀があって石橋で渡る。内部は客殿ふうの造りになっていた。

「持仏堂(じぶつどう)」とは、本来は貴族や武士などが自宅に仏像を拝む部屋を作ったものである。この寺の開基は、讃岐藩主生駒氏が先祖の位牌を祀るために建てたものだというので、それを引き継いでいるのだろうか。

庫裏は切妻の大屋根。

たぶん内部は一階で天井はなく小屋組みまで見えているだろうと思う。

鐘堂。

境内の中心にある平和塔。

高さは10mくらいありそう。この寺町には石造の多重塔が多いな。

何気なく塔の裏側へ廻ってみると、なんと内部に戒壇巡りがある。

それも内部には明かりがない真っ暗な通路になっている、かなりいい感じの造り。

手探りで進んでみた。

塔の真下あたりに釈迦如来の画像が掲げられていた。

山門を入った正面のあたりにある弘法大師像。

その犬走りはお砂踏み霊場になっている。

さっきの戒壇といい、このお砂踏みといい、なかなかサービス精神の旺盛な寺と見た。

讃留霊王(さるれお)大明神という名の鎮守社。

讃留霊王とは古事記に登場するとされ、瀬戸内海であばれていた怪獣を退治し、讃岐の国を与えられたといわれる人物。

境内はきれいな築地塀で囲まれている。

通用門は薬医門だった。