たぶん多くの町にこうしたものが作られたのだろう。私が大学時代を過ごした埼玉県川越市には有名な時鐘がいまもあるし、私が幼少期を過ごした前橋市の清光寺にもそれっぽいものがあった。
ただし多くは戦災や区画整理などで消滅し、いまおそらく国内には100件は残っていないだろう。
この時鐘も歴史的には確実に存在したもののようだ。市の観光案内によれば、梵鐘を戦時中に供出したというから、少なくとも戦前まで残っていたことは間違いない。
ただし現在の時鐘の建築はかなり新しそうに見える。材木の肌には風化の度合いも少ないし基壇の石垣も神社の参道の石垣に比べると色が真新しい。戦後、立て替えたときに古い部材を交換し、基礎工事などもやり直したのではないだろうか。
(2003年05月03日訪問)