先ほど荒神社で、神社のいわれなどを聞き込みしていたとき「この谷の奥、学校の裏にもうひとつ水車小屋があるよ」という情報を得た。
これまで今回の旅ではすぐそこにある水車を「ない」と言われ困惑したことが2回あったが、今回は住民の自発的な情報提供で水車を見つけることができた。ダメとあきらめずに聞いてみるものだな。
小屋の外観は蔦に覆われてよく見えない。屋根はスレート瓦葺き。先ほどみた寺町裏の水車とよく似ている。同じ大工が作ったものかもしれない。
小屋は川の崖に作られていて、崖上の用水から上掛けで水を落とし、そのまままた用水として下流で利用されている。
水輪は鉄製で、直径は3.6mくらいはありそう。パワーのありそうな水車だ。
もう少し近くで見てみよう。
水車小屋の手前には地域のゴミ収集所がある。
建物の4面のうち1面は崖になっている。
つまり建物の壁は3面しかないのだ。
中に入ってみた。
外側は蔦に覆われているので分かりにくいがだいぶ荒れており、長いこと使われていないようだった。
崩壊するのも遠くない感じがする。次にここに来ることがあっても、もうこの水車小屋は消滅しているかもしれない。
搗き臼が3つある。
羽根板は3枚あり、それが杵3本に対してわずかに角度をずらしながら回転するようになっている。
軸も鉄製だった。
取水口を見てみよう。
周囲は棚田で、水車小屋から少し登った場所になる。
棚田に水を入れる用水から水車小屋への水を取り入れている。
取り入れた水は塩ビのパイプを取って導水される。
水輪への掛け樋も塩ビパイプだった。
水車を探す旅の最終段階で、偶然2箇所の水車小屋を見つけられたことはうれしいボーナスだった。
(2003年05月03日訪問)