総社市の町並み

ナマコ壁のしもた屋が続く静かな街。

(岡山県総社市総社2丁目)

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総社市まちかど資料館の前の道は、見たところ古い街道である。総社市は南端を山陽道という古道が通っていて、そこから分かれて山陰地方へ通じる街道との分岐点にあたるため、交易でにぎわったのだろう。

この道も山陽道から分かれた通行量の多い道路だったことが伺える。

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現在はしもた屋が並ぶ。

特徴は1階を見世、2階を座敷とした平入りの建物で、景観的には明治~戦前くらいの感じ。

ナマコ壁が目立つ。以前に紹介した、やはり同じ山陽道の宿場町矢掛町もナマコ壁が特徴だった。

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カワイ音楽教室の看板。

こういう人の日常の営みを感じさせるものは、私にとっては景観としてプラス要素だ。これが既製の看板でなくて手描きの楽器の絵ならばさらに好いだろう。

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見世蔵。

旧堀和平邸。

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道はところどころで緩くカーブしている。

街道の桝形というわけではなく、古くからある田畑や川にそって曲がっていた道がやがて街になったというような成り立ちではないかと思う。

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ナマコ壁の路地。

郷愁を感じさせる風景だ。

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時刻はもう18時をまわった。

そろそろ家路につかないと。

旅の初日、倉敷市を皮切りに7日間かけて岡山県をひと回りした。ここ総社市から倉敷市はもう近い。特に揚水水車群のある祐安はすぐそこだ。帰路にもういちど立ち寄って揚水水車群を確認したら、水路には水が流れ、水車は稼働していた。どうやら岡山の揚水水車はGWの後半以降がオススメの季節のようだ。

これから倉敷市あたりで夕食を食べ、宇野港から車をフェリーに載せて高松港へと渡るつもりだ。風呂付きのフェリー会社を選べば、船上でさっぱりして四国に上陸できる。そしてこの長い旅も終わるのだ。

(2003年05月03日訪問)

路上観察学入門 (ちくま文庫 あ 10-5)

文庫 – 1993/12/6
赤瀬川 原平 (編集)

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