アテ僧院

シュエゴン町の中心街にある僧院。

(ミャンマーカレン州ラインブエ)

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渡船場からオートバイを載せられなければ、今日の最終目的は達成できない。

とりあえず渡船場のアーケードの途中に寺があったので、参詣して気を落ち着かせることにした。

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落ち着け、落ち着くんだ。これからどうすべきか考えるんだ。

などと考えながらの参詣なので、いまひとつ集中力に欠けている。

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寺は参詣用の寺ではなく、たくさんの修行僧がいる僧院だった。

それでも船着き場から近い位置に参詣してもよさそうなパゴダがあった。

その隣の白い建物は仏殿。

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仏殿に入ってみた。

内部は初転法輪仏。釈迦が最初の五人の弟子に初めて説法をする場面を描いている。

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横の部屋には型抜きしたような小さな仏像がたくさん置かれていた。

日本ではありがちだが、ミャンマーでは意外にこういう小さな仏像を大量に奉納したお堂は見かけない。

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この仏殿の天井は簡素な格天井。緩いモン様式か。

1枚1枚に寄進した人の名前を書いたプレートが打ち付けてあった。

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境内の建物はすべて回廊で結ばれているので、雨や酷暑の日でも快適に移動できる。

一方で、常に回廊の中から建物を見るため、寺の様子がわかりにくい写真になってしまう。

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得度堂。

二階の軒の収め方が面白い。

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講堂。

階段で二階へ上がるようになっている。これも緩いモン様式と言えると思う。

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登ってみよう。

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二階に吹き放ちの廊下というか、外陣のような広い空間があった。

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室内に入ってみると、天井は越屋根の中まで吹き抜けになっていた。

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さらに回廊を進んでいく。

左手に食堂(じきどう)があった。

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これまでいくつかの寺で食堂かな?という堂を見てきたが、はっきりと断定はできないものが多かった。

ここはかなり規模の大きな僧院なので、それぞれの堂の用途が明確。これは間違いなく食堂だ。

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修行のなかで食事をとる場所である。ミャンマーの僧院では、食事は1日2回でいずれも午前中。したがって昼過ぎから就寝まで食事をとらない。

食器類は片づけられていた。

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さらに進んでいく。

寺のいちばん奥に見えるのは東司(とうす)。つまりトイレである。半分くらいのドアに板が打ち付けてあり、使えないようにしてあった。修行僧の数に比べてトイレが多すぎるので使うトイレを制限しているのだろう。

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このあたりには僧房が並んでいる。僧房とは、修行僧が寝起きする場所だ。

僧院は仏教を教える学校のような機能を持っているので、これは寄宿舎と考えればいい。一度出家すると、90日間僧院で勉強する。

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ミャンマーの仏教徒は一生に一度はかならず出家する。このように小さい子どものうちに出家させるのも一般的だ。

何度も出家するという人もいる。敬けんだったり経済力がある人なのだろう。

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僧房の横に、僧院専用の船着き場があった。

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ときどきこのように河から直接境内に入れるようになっている僧院がある。

もしかすると、流域の村から出家する修行者を乗せた舟がここに直付けするのかもしれない。

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午後のためか、寺は静かだった。

修行僧は僧房で休憩している時間なのか。

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私は船着き場から入ってきたが、市街地側に別に大きな山門があった。あちらが正門なのかもしれない。

(2016年12月30日訪問)