御所小裏の土の山

土の築山と複合クライム遊具。

(徳島県阿波市土成町宮川内広坪)

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土成町の御所小学校。その裏側は町民グランドのようなサッカー場になっていて、小学校との境界に塀などもないため、どこまでが園地でどこからが校庭なのかよくわからない。

さらに御所小はその後校舎の移転で大幅にレイアウトが変わっており、この滑り台も消滅してしまっている。滑り台観察の仁義として、学校などの自由に立ち入れない場所の滑り台は紹介しないことになっているが、すでに歴史の彼方となっている園地なので紹介してしまおうと思う。

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この園地にあるのは、この複合クライム遊具と、

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築山を利用したロングステンレス台。

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まずロングステンレス台から見ていこう。

ベースとなる築山は土坡(どは)で斜面は植栽されている。基部にはヒューム管によるトンネルが貫通している。

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滑降部は山の斜面を利用しているため、タラップの段数はわずかに5段。

デッキのタイプは開放デッキ。

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滑降部は長いので、純粋に滑りを楽しむことができる好ましい台だ。

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もうひとつの複合クライム遊具。

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一見して、医家神社のクライム遊具を思い起こさせる。

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規模的には医家神社よりこちらのほうがかなり大規模。

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リングラダーを多用している点と、渡り廊下の途中にアーチ型の出入口を作る意匠に共通点が多く、同じメーカーなのではないかいう気がする。

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まあ医家神社の遊具とこの遊具が同じメーカーであるかは置いておいたとして、この遊具にはひとつ重要なポイントがある。それはこの複合遊具にはコーションプレートが取り付けられていたのである。

「梅村体器」とある。

調べてみると徳島市内の現存する遊具メーカーだ。

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そしてこの複合遊具に取り付けられているのはFRP樹脂板の滑降部なのである。

この滑降部は徳島県に多く分布する。徳島を特徴づける素材といっていいものだが、これまでメーカーは不明だった。

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もちろん複合遊具全体を施工した会社がわかっただけで、各パーツは他社から仕入れたものという可能性もあるわけだが、この滑降部の出所につながる情報が得られたことは間違いない。

(2004年03月28日訪問)