国道192号線を徳島市内から池田町方面へ走ると、鴨島町の手前で左手に独立した丘陵が見える。向麻山だ。
山頂の神社から展望がよく、吉野川の氾濫原を見渡すことができる。その山の山腹に向麻山公園という公園がある。
きょうはその公園にどんな遊具があるのかを確認しにきたのだ。
当サイトで紹介する遊具は、新しい古いはこだわらないが、職人の手作りのもの、その公園専用にデザインされた一点モノが基準だと思っている。よって、量産された部品を組み立てるユニット式の遊具は観賞の対象外だと思っている。
この公園の遊具はどれもユニット式の規格品なのだが、珍しいものが多いので紹介しよう。
これは当サイトで「パイプ滑り」と呼んでいる滑り台。このパイプの間にお尻を載せて滑り降りるというもの。
昭和に小学校などに作られることが多かったと私は考えているが、このように公営の公園に新設されることがあるとは意外だった。
子どものバランス感覚などを要求する遊具であり、手すりがないことから自治体が嫌うタイプの遊具だろうと思われるからだ。
これは人間回し車。
太いパイプの中に人間が入って回転させるというもの。ハムスターなどが回すアレだ。
これと同じ遊具は私が小学生のころ住んでいた群馬県前橋市の某学校の校庭にあって、日曜日などに忍び込んで遊んだ記憶がある。以来、一度も出会ったことがなかった。いまでも作られていたんだ。
パイプはローラーの上に乗っているだけ。
以前、私が遊んだことのある遊具では、ここはむき出しの鉄ローラーだった。ともすれば巻き込み事故が起きそうな構造だったが、それはだいぶ改善されているようだ。
こういう可動式の遊具を公園に導入するのは、自治体の上級職員にかなりの覚悟を持った人がいるのではないかと思わせる。
ロープ式のジャングルジム。名称は「スカイネット」というようだ。
2つの滑り台が接続している。
内部はこんな感じ。足場は細いし、ロープをしっかり掴んでいないと体を支えられない体力のいる遊具だ。
滑り台のタラップがジャングルジムや雲梯になっている遊具はよくあるが、滑り台を繰り返しすべる遊び方をする場合、登りにくいという難点があると思う。
滑り台で遊びたいという子どもモチベーションを利用して体力増進をはかるいう発想と思うが、どうしても滑り台で遊ぶ子どもが限られてしまうと思う。
このように高度なジャングルジムと組み合わさった場合はなおのことだ。
公園の遊具全体が、遊ばせるということよりも、体力作りをテーマに作られている。
子どもが一番好きなはずのローラー滑り台も、ジャングルジムでかなりの高度までよじ登らないといけないので、小さな子どもや親は遊ぶこともできないだろう。
そこまで徹底的なのは悪くはないけど、スパルタだと思う。
雲梯とつり輪。こんなに長いつり輪は初めて見た。
このつり輪の下のデッキは下にスプリングが付いていて揺動するようになっている。
一本橋と滑り棒を組み合わせた遊具。
ターザンロープと呼ばれる遊具。
これは中心に軸がある木の円卓。おそらく上にしがみついて、下るときに外側に、上がるときに内側に体の重心を移動することで、ずっと回転できるだろうと思う。
ホッピング遊具。下部にスプリングがあり、上でジャンプして遊ぶ。小さなトランポリン的なもの。
滑り台好きにとっては、パイプ滑りが見どころだが、それ以外にも充分楽しめる公園だと思う。既製品の遊具でもこういう楽しいものがたくさんあるのだ。
(2003年08月24日訪問)