於安パークワイド滑り台

徳島でもっとも迫力のある滑り台。

(徳島県つるぎ町半田)

半田町は徳島県の西部のそうめんが名物の小さな町。

吉野川の支流半田川が削った険しい渓谷の中に町がある。徳島県を東西に貫く動脈国道192号線から引っ込んだところに町の中心があるので中心街にも車通りがなく、役場の前ですらしもた屋が並んでいるようなさびしい町だ。

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その半田町の於安(おやす)パークという公園にローラー滑り台があるというので見に行った。町を見渡せる山の山頂に公園はあった。

複合遊具がいくつもある気合いの入った公園だ。遊具の数では県西方面では一番充実しているかも知れない。

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公園からの景観もよく、いわゆる「ソラの集落」が遠望できる。

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複合遊具をチェックしながら園内を巡っていると、小さなスキー場のような感じの空間が見えてきた。

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なんとこれが巨大な滑り台だったのである。名前は「ワイド滑り台」。

滑降面は下部が広がっている台形で、広いところで横幅10m、長さは20mくらいありそうだ。

あまりの光景にしばしぼう然と立ち尽くしてしまった・・・。

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滑降面は赤御影石。石製の滑り台という点では鳴門市のうずしおふれあい公園撫養川親水公園の滑り台と似ている。同じ業者が施工したのだろうか。

それにしてもこれだけの面積に寸分の狂いも無く御影石のパネルを敷き詰めてあるのは壮観だ。

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下部は砂場になっているのだが、砂はかなり厚めに盛ってあって、砂場の終わりの壁には衝突防止のマットが備え付けられている。

常識的には砂場で停まると思うのだが、何らかの間違った滑り方をした子供が壁に激突するのを防ぐためなのだろう。

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滑り台の上に登ってみた。

滑り口には鉄柵があって、人が間違って落ちないようになっている。

滑り口は3つ。同時に3人が滑ることができる。

滑り口から下を覗いたところ。はるか先には半田の町を見下ろせる。かなりの迫力で、小さな子供が気軽に滑り出せる雰囲気ではない・・・。

私自身は滑ろうと思えば滑れると思ったが、滑降部下部の平坦部にだいぶ砂がたまっていて、服が汚れそうだったからやめておいた。

いつか汚れてもよい服装で来て、思い切り滑ってみたいものだ。また公園にお願いしたいのは、平坦部を清掃できるホウキを備え付けておいて欲しい。

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滑りかたの注意。

「スケートボードですべるな」って・・・たぶん言われなくても滑らないと思う。

それとも実際にスケートボードで滑った猛者が事故でもおこしたのか。

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何しろ傾斜はほぼ45度。こんなところをスケートボードで滑るのは、よほどの命知らずだけだろう。

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子供がワイド滑り台で滑るところを撮影しようとポケットからビデオを撮り出して待っていたのだが、親が危ないからと滑らせなかった。その親が子供に言うには、この滑り台は途中で横向きになってしまうと危険だから滑るなら端の手すりつかまって滑れ、というような事を言っていた。

だが滑走部の平面が台形のため手すりにつかまって滑ることは不可能で、たぶん設計者は手すりにつかまることを避けるように造ったのだろう。なぜなのかはわからない。

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園内のほかの遊具を見ていこう。

案内板によると「ネットクライム」と呼ばれる遊具。

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複合遊具。特に名前はない。

中央のピンクのリングトンネルの長さが病的。リングトンネルで楽しく遊んだことがない私には理解に苦しむ遊具だ。下を雲梯のように渡る子どもがいて、途中で力尽きたら大変なことになりそう。

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複合遊具には螺旋滑り台があって、滑走面は鋼線。

このタイプの滑り台はタカオ製と思われる。ということは園内の他の複合遊具もタカオ製なのだろうか。

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波打った木道もあった。手すりがないので濡れてスリップでもしたら転落しそう。

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一番人気のローラー滑り台。

園内には2家族くらいが遊んでいて、ひっきりなしにローラー滑り台で遊んでいた。

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ローラーが細いジュラルミン製のタイプ。

途中4回転するようになっていて、私が見た徳島県内のローラー滑り台としては最長。

ただし、回転するところでは内輪差ですぐ止まってしまうしスピードも出ないので、個人的にはローラー台の回転はマイナス要素でしかないと思っている。

滑ってみたら、手すりで服が汚れた。

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案内板によると「くるくる円盤」という遊具。

向麻山公園にもあったな。こちらのほうが掴むところがあるので遊びやすそう。

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踏車。

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エアロバイク。

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板ばね付き一本橋。

珍しいものが多い。

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少し離れたところに、ユニット式複合遊具、トランポリン、ターザンロープもあった。

残念なことにワイド滑り台は現在は撤去されてしまっている。

(2003年12月13日訪問)

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