伊予三島市は愛媛県最東部にある工業都市。製紙工業が盛んで、海岸沿いには巨大な工場が建ち並び、高い煙突からはもうもうと水蒸気が上がっている。そんな工場地帯を見下ろせる丘の上に三島公園がある。
三島公園はかなり広いのだが、タコ山があるのは公園の北の外れ。メインの駐車場に車を置いてしまうと遠くなるので、公園に登る坂の途中の小さな駐車場から歩くのがよい。
このタコの特徴はマンガチックに描かれた目と、下部をブルーに塗り分けたツートンカラーであろう。この塗り分けは、よりタコの触手を強調するためのものと思われ、青い部分は海の水の色ということなのだろう。
私が育った街のタコ山はどれもピンクのモルタルの地の色だったので、このように具象的に塗ったり表情を描いたりするのは違和感を感じてしまう。
ペンキは一度塗り直されたようだが、そのとき塗り分けの位置が変わったようだ。右脚の下のほうには昔の色が浮き出ていた。
背中のカスガイの部分にはかつては水玉模様が描かれていたのだろう。
カスガイの部分と右腋の下滑降部の手すりの部分はくっきりと面が分かれている。これは以前に見た徳島市内の福島住吉緑地のタコ山と似た施工方法だ。
左腋の下滑降部も滑降面と壁面がわりとくっきり分けられている。
唇は長く突き出ていて、そのために肩の部分とのあいだにくぼみが出来ている。なんか、汚れがたまりそうなくぼみだ・・・。
左右肩通路への出口にある、耳に相当する庇はまったく存在しない。
背中から見ると、右腋の下滑降部への出口がかなり頭部にめり込んでいるのも特徴のひとつであろう。
左腋の下滑降部への出口にも庇状の膨らみがあるタコもあるのだが、このタコはむしろ内側に庇が出来ている。
この公園、市街地からは少し離れているし、山の上にあるので子供だけで気軽に遊びに行けるような場所ではない。この日は一人の子供の姿もなく、タコの目が少し悲しそうに見えた。
タコのとなりには二連装の太鼓雲梯複合滑り。
タイプとしては滑り台保存館#407に近いが、#407のほうがより洗練された印象を受ける。
たまにこのタイプの複合台で、雲梯からしか滑り台に登れない構造のものがあるが、これは別にタラップがある。
雲梯側から登った場合も、デッキの手すりに束柱がないので、そのままデッキに入ることもできるという親切設計。
滑降部は徳島県でもよく見かける黄色のFRP樹脂。
着陸船型ジャングルジムと、ロケットタワー。
着陸船型ジャングルジムは金長大明神で見たものと同形。ロケットタワーをアポロ宇宙船とすれば、このジャングルジムと合わせて、月探検ごっこが可能だ。
ロケットタワーはよくあるパイプ構造のものではなく、RCの壁構造。外部に発射台が付いていて、司令船部分に直接乗り込むことができるという本格的なロケット遊具だ。
これは楽しそう!
ロケットの内部からも司令船に登れるようになっている。
司令船内部。
ピエロヘッド。(勝手に命名)
象の足。
奥のほうには砂場、穴壁、土管電車、迷いの森がある。
十字シーソー。
中央部に注意書きがあり、中学生以上禁止、二人乗り禁止など細かく書かれている。遊具そのものにこうした注意書きがあるものは珍しい。
さらに下のエリアにもまだ遊具があるではないか。
人が少ないわりに遊具が豊富だ。
ヘリコプター型滑り台。滑り台保存館#116と同形のものだ。
この滑り台が何の形を表わしているのかは、判断がむずかしい。伏せた急須のようでもあり、カタツムリのようでもあり、ヘリコプターのようでもあり、あるいはUFOか。
だが当サイトではあえて「ヘリコプター型」と呼ぶことにする。子どもが何も見ないでヘリコプターを描いたらこうなった、というような感じがするので。
タラップ。
内部は貫通した円柱によって、動きが妨げられ、使いにくいことこの上ない。
ムーンホッパー。(勝手に命名)
これも宇宙探検ごっこに使えそう。ほらあの映画『2010』で、レオーノフ号からディスカバリー号に掛けたつり橋みたいのを渡る場面とか再現できそうではないか。
ムーンホッパーの操縦席。
大型のトリケラトプスライド。
公園にはほかにいくつかの小型ライドがある。
(2003年12月13日訪問)