かつて古庄駅やホームの跡があったという場所を見学した後、旧線路の跡を少し歩いてみた。
その途中で見つけたのがこの古庄児童公園だ。
その公園の奥に、巨大な造形物が見える。
滑り台というと、遊具、つまり「モノ」として捕らえがちだ。扱いも建築学というより造園か土木の一部のような扱いだ。
だがこの滑り台には、建築屋さんが図面を引いたような匂いを感じるのだ。それもポストモダンにかぶれた若い建築家が設計したような、そんな匂いだ。
それを悪いと言っているのではない。一般的な遊具業者のデザイン論とは違った、建築的なデザイン論から来る遊びを感じるという点で、際立って個性的な滑り台と言ってよいと思う。
2本の滑降部が互い違いに取り付けられているので、滑り終わったらすぐ次の滑り台にの階段を登って、交互に連続的に滑ることが可能である。
だが子供たちは、そうやって滑るのではなく、構造材の鉄骨に登ったりして遊んでいるようだった。鉄骨は無駄ではなかった!
写真は小学校高学年くらいの女の子たち。パーゴラでひとしきり携帯メールをしたあと、滑り台に登って遊び始めた。
滑降部は人研ぎ。
内側がお尻の形に合わせた丸い溝状になっているのも変わっている。
表面は荒れていて、滑り心地は悪かった。
滑降部はエメラルドグリーンに塗装されているが、本来の色はサーモンピンクだったようだ。
鉄骨とコンクリの筐体の連結箇所は、ただ載っているだけではなくおそらく内部の骨格と溶接されているのではないかと思う。
公園にはほかにブランコと象の足があった。
(2004年03月14日訪問)