
吉香公園の中に、

しかたなく、他の寺社を先にひと回りすることにした。

目加田家の隣には白蛇の展示場がある。
錦帯橋といえば白蛇、というくらい、錦帯橋を見てきた人の多くが白蛇について話すのは不思議だ。錦帯橋そのものは、あまり印象に残らないのだろうか。

白蛇というのはアオダイショウのアルビノ固体で、突然変異なので全国的にときどき発生することはあるのだが、岩国では自然の状態でその形質が維持されていて、国の特別天然記念物に指定されている。
白蛇の形質が子に伝わるには両親がその遺伝子を持っている必要があり、そうした固体が岩国市の周辺に多く棲息しているとのこと。

公園の一角にある岩国美術館。
一瞬、大仏殿? と思って色めき立ってしまった。

公園の一角にある迷路っぽい植え込み。
単に植栽管理の都合でこうなっているのか、あえて西洋庭園の迷路を再現しようとしたのかは微妙なところ。

近隣の寺社に参拝して戻ってきたら、入口が開いていた。拝観料は無料。

とはいえ、敷地の中に入れるだけで、建物の中には上がることはできなかった。

玄関は式台玄関。

この建物の特徴は、両袖瓦と呼ばれる特殊な桟瓦。
一般的な桟瓦は同じ形の瓦をウロコのように一方に重ねながら並べる形状になっているが、両袖瓦は凹凸の2パターンを交互に並べる形状をしている。
これは岩国地方に固有のものだという。
ところどころに丸瓦が葺いてあるのも気になるが、これが岩国の特徴なのか、この目加田家固有のものなのかはよく判らなかった。

まあ、それ以外は中級武士の住居としては特段に珍しい要素もなさそうだったので、わざわざ上がって見なくてもいいのかもしれない。

吉香公園の周囲はかつては上級~中級武士の住居が並んでいた場所なのだろう。
主屋は建て代わっていても、もとは武家屋敷だったなと思われるような敷地の家がいくつかある。

そうした武家屋敷のひとつ香川家。
たぶん内部は見学できず、この長屋門だけを外から眺めることができる。
(2003年09月03日訪問)