周防大島の屋根ともいえる嘉納山(標高695m)の連山への登山口にあるお寺、文殊堂。
人里離れた山の中の寺であり、立地が気になって訪ねてみた。
参道には古い石橋がある。
帯石観音と同じように風化した花崗岩による奇景が目立つ。
お寺の伽藍は、宝形の文殊堂が一宇あるだけの質素なお寺だった。
ちゃんと下調べしてきたわけではないので、大寺ばかりというわけには行かない。
なにせこのころはインターネットで小さなお寺の情報や航空写真をすぐに調べられる時代ではなかったのだ。
軒に半鐘がかかっていた。
案内板によれば、日本三大文殊のひとつとされている。残りの2つは、奈良県桜井市の文殊院、京都府の天橋立にある智恩寺だという。残りの2つはいいとして、ここが三大文殊のひとつって、誰が言い出したんだ?
この寺は嘉納山系の文殊山の登山口にもなっている。つまりこの寺までは車で登り、ここからは歩いての登山となるのだ。
どうもこの先に「岩屋の文殊」というものがあるらしい。奥のほうに石灯籠も見える。石段も単なる登山道ではなく、奥の院の風情なので頑張って登ってみる。
灯籠のところまで来たが、期待していたような投入堂的な建築物はなく、単なる岩屋があるだけだった。
岩屋の中には石仏が祀られている。
これが「岩屋の文殊」なのだろうな。
もう少し登ってみたが、単なる登山道でなにもなさそうだった。
山頂は展望がよく、登頂には1時間はかからないようだが、特にお堂などがなさそうなのでここで引き返すことにした。
これで周防大島の観光は終わりになるのだが、あとでよく調べてみたら、島にはもう1ヶ所、地家室の石風呂という石風呂があったようだ。もう周防大島へ行く機会はないだろうが、下調べが甘かったので仕方がない。
(2003年09月03日訪問)