ムーバレーから少し山奥に進んだところに岩屋観音という表記があったので行ってみた。
伽藍配置図。
参道には大水車があった。
竹下内閣のふるさと創生事業で作られたものと思う。多くのバブリーなハコモノや記念物が作られた時代だった。だがある意味で地方への交付金の渡し方としては正しかったのかもしれない。民が適正な報酬を得てやるべき仕事を交付金で実施し地方の民業をさらに苦しめるような事業でないだけ、無駄な事業のほうがまだマシだから。
水車の直径は12.036mとのことで、妙に細かい。
大きさ的には、日本国内では十指に入るくらいか。
ポンプで汲み上げたりするのではなく、沢水を樋で引いてきて回転させているという点、またその動力を使って蕎麦粉を引いている点などが、大水車としては評価できる。
ここで引いた蕎麦粉で打った蕎麦を横の茶店で食べられる。ちょうど昼時だったので食べてみたが、粗挽きで喉ごしのよい美味しい蕎麦だった。
岩屋観音を見ていこう。寺の名前は護聖寺という。
ムーバレーや大水車にあわせて最近作られた寺というわけではない。たぶん、最低でも明治、もしかしたら江戸時代以前からもあっただろう。
洞窟は少し石段を上ったところにある。
石段の途中に設置されていた仁王像。
もしかしたら以前に八脚門があったのかも知れない。
本尊の岩屋観音は小さな石灰洞の奥にあった。
洞窟は天井は高いが奥行きはない。
暗くてうまく写っていないが、観音像は石筍の上に置かれていて、二次生成物で癒着している。
そこからさらに奥の院へと上がる石段がある。
奥の院までは徒歩5分程度。
奥の院も石灰洞だ。
こちらは深さ40mくらいか。
懐中電灯がなくては入れない。私は持参していたが、蕎麦屋で懐中電灯を貸してくれる。
細い支洞もあり、狭洞好きのケイバーだったら入りそう。
最深部には観音像があった。
この観音像の裏もまだ狭洞があるので、衣服が汚れてもよい覚悟があれば入って行けそうだった。
(2004年05月01日訪問)