きょう最初の訪問予定地、
とはいえその場所は明確ではない。後畑という大字はかなりの面積があり、GoogleMapsや衛星写真が利用できなかった当時は、その大字の中を走り回るしかなかったのだ。
あたりは日本海に面した丘陵地帯で長い海岸線。風力発電の風車が林立する場所だった。
とにかく見晴らしのよい場所から田んぼが集まっている場所を探すしかない。
実はこのとき、いまや長門地方を代表する観光地となった元乃隅稲成神社のすぐ横の県道を通ったのだが、まったく気付かず素通りしてしまった。写真をみるとすでに鳥居は建立されている。まだブレイクしてなかったのか、それとも単に自分のアンテナが鈍かったのか・・・。地図上では単に「稲荷神社」と表記されているだけだった。
この元乃隅稲成神社のある高台から立石漁港方面を見ると、棚田が密集している地帯を発見。たぶんあそこが目的地なのだろう。
海が見える急斜面に小さな田んぼが並んでいる。
大堤という大きな貯水池がありそこから東後畑の棚田を下から見上げることができる。
海が見える棚田の風景は格別だ。
雰囲気は、これまで見た中では丹後の袖志の棚田に似ているが、こちらのほうがはるかに規模が大きく、景観もバラエティに富んでいる。
平均勾配は1/15 。
面積は7ヘクタール、枚数は210枚となっているが、それはたぶん棚田百選に申請した範囲であり、実際には隣接する周囲の集落にもかなりの棚田があるため、その数倍のボリューム感がある。
法面は石垣が多いが、旅の初日に見た大井谷の棚田のように100%石の海という感じではなく、石垣のスキマから草が生えていたりするため柔らかい印象だ。
また土坡の法面もあり、石垣と土坡の混合といえる。
田起しは終わっているが、まだ水を張っていない圃場もある。
田んぼ1枚の面積は広いところもあるし、狭いところはそれこそ1坪くらいの田もあり千差万別。
この写真くらい広い田んぼはトラクターが入れそう。
水源はため池。
タイミング的にちょうど田に水を張りつつあるところで、あと少し早く来てしまうと写真を撮っても判りづらい状況になってしまう。
この棚田を堪能するにはおそらくGW後半かそれ以後がいいのだろう。
きょうの天気予報は雨で、宿を出たときもどんよりと曇っていたのだが、このときだけ青空がのぞいた。
棚田百選には枚数があっても地形の関係で全容がわかりにくいところもあるが、ここは三日月型の斜面にあるため見渡しがきき、比較的わかりやすい棚田だった。
田んぼの一角にあった、塞の神的ななにか。
自然石に猿の顔みたいなものがあり、わら細工の注連縄、股間にはたぶん陰陽を表わす造形がある。
(2004年05月03日訪問)