関金温泉を離れて倉吉市を目指して移動中に、道ばたに不思議な建物があったので、立寄ってみた。敷地にいろいろなモニュメントがある。寺か?新興宗教か?とも思わせる不可解な空間だが、それは天神野土地改良区の事務所だった。
街道に面したところには金色の女性の像がある。「ほ場整備完成の碑」とある。1999年に設置された比較的新しいもの。作者は石谷孝二。圃場整備が地域でよほど嬉しい事業だったのだろうか。
その背後には四角錐型の碑。これまでの例では、従軍して戦死した人の慰霊碑的な外観だが、見ると「益田傳吉翁之碑」とあった。
益田傳吉は明治時代のこの地方(東郷村)の村長も務めた実業家で、大正~戦前に天神野耕地整理組合の組合長も務めた。事業が難航した際には、資材を投げ打って開墾事業を成功させた人物だという。
この敷地でもっと目立つのがこのアールデコ風のモニュメント。
ちょっとこれまでに見たことがないような凝りよう。
こちらも「東伯郡天神野耕地整理組合 完成記念」とある。いかにこの事業が大きな出来事だったかを伝える迫力ある記念碑だ。
事務所の建物も多少改修されているとはいえ、戦前(昭和8年)に建てられたものだ。
(2005年05月02日訪問)