今日は昼前に鳥取砂丘に向かったらメチャクチャ混んでいて嫌気がさしたので、午後は鳥取市を離れて兵庫県の村岡方面に行こうかという気持ちになっていた。そのつもりで県境を越えて、兵庫県の龍満寺を訪れたのだった。だが、龍満寺で化粧地蔵を見て思った。
「これはイカン、違う場所に来てしまった。」
なんといったらいいのか、関西?、京の風が届く場所?、とにかく別のコンセプトの場所に入ってしまったと思えたのだ。今回の旅はやっぱり伯耆・因幡にとどめておかないと収拾がつかなくなる・・・。思い直して鳥取市へ戻ることにした。昨夜と同じ宿へまたチェックイン。
この時点で時刻は17時、落日までには少しある、素泊まりの宿でまったりするにはまだ早い。そこで、鳥取県の南東端にある不動院という寺へ行ってみることにした。おそらく寺へ着くころにはとっぷりと日が暮れていることだろう。
不動院への道半ばもいかないところで、ドライブマップに「成田山青龍寺」という寺があった。
立ち寄ろう!!
別に、どうかしてしまったわけではない。実を言うと、不動院はいつか行っておくべき寺ではあるが、たぶん行ってもつまらない寺だと思うのだ。それよりは道すがら楽しそうな場所があればそっちに優先して時間を使ったほうがいい。
寺は沖積平野のへり、里山の山麓の傾斜地にあった。
集落の細い路地から石段が始まっている。路地はとても狭く、せいぜい軽自動車くらいしか入れないような道だ。じゃあ参詣の車はどこに停めたらいいんだとなるが、集落の外の迷惑にならない路上くらいしか置くところがなさそうだった。
石段を登ると踊り場があり右側に池らしきものがあったが枯れていた。境内にはツツジがよく整備されていていて、花がたくさん咲いていた。
境内に入ると、右側に庫裏と水盤舎がある。
水盤舎の裏側には鐘堂がある。
参道の左側、つまり、庫裏の対面側には衆寮がある。
寺院の衆寮というと、RC造のホテル的な建物の場合が多いような気がするが、ここは木造で濡れ縁、障子張りの和風建築で、かなり風情がある。
衆寮としては極上の物件だと思う。
本堂は衆寮の先の石州瓦葺きの建物。
扁額には不動堂とある。
中を覗いたら、涅槃仏が見えた。涅槃仏の後ろは祭壇のように一段高くなっていて、不動明王が祀られている。
そして気になるのが、写真の左端に見えている階段。この本堂は斜面に建っていて、奥へ奥へと斜面に沿って建物が並んでいるため、階段状のフロア構成になっているのだ。
おそらく開山堂か位牌堂的な建物があの階段の先にあるのだろう。
本堂を外から見ると、建物が階段状につながっていることが確認できる。
ほかに、鐘堂のところの石段を登った場所に宝形の堂があった。
位牌堂かなにかではないか。
車で入りにくい場所の寺だったが、境内にはツツジが咲き乱れ、いちばん良いシーズンに来たのかもしれない。
(2005年05月03日訪問)