いよいよ大山寺の寺としての本体部分へ参詣する。
門前町の石畳の道を上り詰めると、山門の楼門が見えてくる。この楼門がユニークで、内部が拝観受付になっている。つまり料金徴収用のゲートなのだ。
山門の手前には大山寺の神社部門への参道との分岐があって、どちらへ進むか迷うが、大山寺を見たあと抜け道で神社のほうへも行けるので、まず大山寺を参詣するのがよいだろう。
拝観料は300円だが、護符と瓦せんべいが付いてきて、多数の仏像が納められた宝物館にも入れるので、割安といえるだろう。
山門をすぎると、石段の途中に水盤舎がある。
さらにしばらく登ると広場に出て、左手に護符売り場のようなものがある。これは伽藍配置図によれば下山観音堂となっている。
広場右手には不動堂。
そこからさらに石段を上がると本堂のある広場に着く。
石段を登り切ったところには錫杖型の相輪塔状のものがある。
ここには時代は新しそうな2つの立派な宝篋印塔があり、その間に青銅製の牛の像があった。撫でると願いがかなうとされる。この牛を奉納したのは福田海という牛供養で有名な寺。
石段を上り詰めた正面には鐘堂がある。
間取りがやや大きめで、ずんぐりした印象の鐘堂だ。
鐘堂の後には三寳蔵という不思議な卵塔のようなものがある。きょうは定光寺でも似たようなものを見た。同じ意味のものなのだろうか。
本堂は石段を上った場所からは左のほうに見え、しかも、本堂の横が見えるという配置。
本堂の正面は崖でRC造の舞台になっている。
本堂は正面5間、奥行6間の長方形の宝形造。正面には3件の唐破風向拝がある。
本堂は昭和3年に焼失、昭和26年に再建されたもの。
新しい建物とはいえ、立派な材木を使い木割りも太く、堂々とした建物。
木鼻の意匠も古風でシンプルなものだ。
内部は正面2間を外陣、その奥に1間の内陣、さらに奥に地蔵格子の内々陣を持つという、本堂型式と密教型式の折衷様式。
本堂の向拝には賓頭盧尊者が祀られている。
(2005年05月04日訪問)