辻堂はその道のうち細い旧道に面して建てられている。もしかすると道路の拡幅などで移築しているかもしれないが。
屋根は茅葺き、柱の上には台輪、軒は二手先の斗栱と、垂木は二重垂木とかなり凝った建物。宮大工の仕事である。
濡れ縁やその礎石は最近補修されているが、本体は江戸後期という気がする。
三面の唐戸は開放されていているので、広島や愛媛で見るような茶堂のようにも見えるが、濡れ縁があるので茶堂ではないと考える。
茶堂はあくまでお堂の内部で休憩することを前提とするが、このお堂は休憩は濡れ縁で、という設計だからだ。
内部の厨子も茶堂にしては豪華過ぎる。やはりあがりこんで休憩するというような性質の堂ではない。
中央はたぶん阿弥陀如来。そういう意味では、辻堂の阿弥陀堂といえばいいのか。
辻堂の前地は小さな地蔵堂があった。
特徴的なのはべたべたと護符が貼られていること。
五輪塔にも地蔵菩薩の札が貼られている。
このお堂の横は清水公会堂で、これもなかなか渋い建物。やはり長い濡れ縁があり、多くの人が同時に休憩できる。
もしかするとこの辻堂には縁日があって、この空間には露店が出たこともあるのかもしれない。
辻堂の裏へいく道があったので少し歩いてみた。
(2005年09月01日訪問)