カモカポ僧院・再訪

登山のあと僧院で昼食をごちそうになった。

(ミャンマーカレン州パアン)

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カモカポ山から下山。

ふもとにあるカモカポ僧院の敷地へ戻ってきた。

なお、寺の本当の名前は「(日の)()(石柱)ンテン()ャ」というらしい。これはポーカレン語の名前である。地方の寺院や地名には、カレン語などローカルな名前と、ビルマ語の名前の2通りがある。なので、一般的には「カモカポ僧院」でいいんじゃないかな。

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カモカポ僧院については以前の記事ですでに紹介しているので細かいことは書かない。

以前訪れたときには未完成だった僧房が完成していた。

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こちらが以前の様子。

もともとは右側の木造の小さな僧房があったのだと思うが、その横に壁構造の2階建ての大きな僧房を建てていた。

旧僧房は取り壊され、その場所は新僧房の下屋(げや)になっていることがわかる。

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汗だくになったので寺の水垢離場で顔や手足を洗わせてもらっていると、ミャンマー人たちがいなくなっていた。

「おーい、こっちー! 昼メシ食べよ~」

と声がする。

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私が身体を洗っているうちに、他の人たちは僧房に上がって、食事の準備を始めていたのだ。

あらかじめ寺に電話を入れて食事を準備させておいたわけではない。ミャンマーの僧院では来訪者に食事の接待が出ることが多く、私も寺参りで頻繁に食事を勧められている。もちろん接待だから無料である。

でも、それは主に午前中のこと。

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このとき時刻は13時を廻っていた。

このへんがよくわからないところで、修行者は午後は食事をしないという戒律があるが、参拝者には正午すぎでも食事を接待されることもある。

しかも、食事をしようと言っている人物はクリスチャンで、仏教徒ですらない。でも私たちの食卓が準備され、腹いっぱい食べられるだけのご飯とおかずが出たのだ。このへんがミャンマーの田舎の寺のゆる~いところなのか、いまだに完全には理解できないところだ。

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私は食事を少なめにいただいて、せっかくだから僧房の中を見せてもらうことにした。

ここは下屋の奥の部分にあった仏殿。

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下屋の部分は修行僧たちが経典などを学ぶための「講堂(こうどう)」になっているのではないかと思う。壁がないため採光があり、経典などを見るのに都合がよさそう。

新築の建物は2階建てなので、まず1階の内部に入ってみる。

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内部はタイル張りの一部屋になっていて、片側の棚には食器類が整理されていた。

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この部屋は食堂(じきどう)ではないかと思う。

仏教の修行のなかで食事をするための専用の場所を「食堂(じきどう)」といい、日本でも修行僧を多く受け入れている寺や、古代寺院などにはその建物がある。

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続いて2階へ。

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こちらは壁に寝具が納められていた。

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この部屋はいわゆる「僧房(そうぼう)」。修行僧が寝起きするための部屋であろう。

ミャンマーの寝室はこんなふうにタイル張りや板貼りのことが多いと思う。ここにマットや毛布などを敷いて寝るのだ。その様子は以前に紹介したこともある。

ふだんの寺参りは私ひとりだけのことが多く、言葉の問題もあるので僧房の中まで入ることはないのだが、今回は通訳さんもいるので、心置きなく僧房の中を見ることができた。

たぶん、これからミャンマーの寺の僧坊の建物を見るときにいろいろと参考になるはずだ。

(2019年02月24日訪問)