職場の昼休み、カモカポ山に登ってみようということになった。
以前から登ろうという話をしていたので、登頂経験者の職場のスタッフと山へと向かった。その場にいた無関係のミャンマー人も行ってみたいということで同行。
カモカポ山は2015年に訪問した僧院の裏山である。推定標高は200~250m。
山の登山口なのだが、僧院の裏手の矢印の場所。
登り始めから石段などが一切ないタダの斜面。
踏み分け道になっているので、かろうじて登山路をたどれるが、とにかくわかりにくい。
それでも最初のうちは立って歩ける程度の斜度なのでまだマシだった。
途中からは落ち葉と砂が積もった道とも言えないような斜面を、木の根、草の根にしがみつきながら登ることになる。しかもロンジーとサンダル履きで・・・。
これはガイドと一緒じゃなかったら、この場で引き返してたと思う。
登り始めて15分。水槽のようなものがある鞍部に到達。
けっこうきつく、ミャンマー人もへばりぎみでひと休み。
ここから鞍部を越え、僧院の反対側の北斜面へと入る。山容は変化し、表土がほとんどない石灰岩の崖に変わっていく。
悪路だが、つかまりやすいだけそれまでの土の斜面よりは登りやすい。
道なんだかタダの崖なんだかよくわからないところもある。ガイドがいるから信用して登るけど。
こんな場所をサンダルで登って行くのがミャンマーの登山。
だいたいがこんな感じの道。
途中、紛らわしい分岐は1箇所あるが、登る側の道を選んでいけば迷うことはない。
そもそも迷えるほどのルート取りの選択肢がないのだ。しがみつける場所にしがみつくのみ。
全体的に急なので、平坦な場所があれば休憩を入れながら登っていく。
登り始めから約1時間。最後の梯子に到着。
この梯子を登れば山頂である。
やったー、山頂に到着。
麓から展望台と見えたものは仏堂だった。
台風か落雷で屋根は無くなったのだろう。お堂の中にまで雑草が茂っている状態だ。
室内には天部の神々と、
仏陀が祀られている。
それにしてもよくこんな場所までレンガとセメントと水を運び上げたものだな。
日本だったら絶対ヘリコプターを使うが、ミャンマーではすべて
パゴダも九輪のところが折れていた。落雷で壊れたのだと思う。
山頂は双耳峰になっていて、反対側の峯のほうが少しだけ標高が高そうだ。
でもヤブに覆われている。
え? 行くの!?
行っちゃったよ!
私たちも彼に続いて反対の頂へ。
山頂を極めた男達のこのすがすがしい笑顔。
ここからはほぼ360度の眺望がある。
ドローンからの空撮。ほんとよくこんなところにサンダルで登ったなと思う。
第二次大戦中、ミャンマーに侵攻する日本軍はこの付近を通った。その時にも誰かがこの山頂まで登ったのだろう。戦後、山頂から日本の軍刀が見つかったという。軍刀は他の鉄を切れるほどの切れ味だったそうだ。
北→西→南のパノラマ。正面に見える筋状の林はゴムの森だ。
南のほうを見ると、エインドゥ・ザタピン街道が延びている。最近、全線が二車線で舗装され、いまカレン州全体で一番路面状態がよい道路だ。
中央に見えるのはタンガリー寺院。登頂済み。
西側を見るとパアン最大の観光地サダンケーブがよく見える。
北側を見ると、ノゥトゥディ山脈の山並み。
手前の小さな丘は私の大好きなピーメチョウン僧院。
東側を見るとロンニャ沼。ロンニャ沼の横にある山も山頂まで登れるが未踏。
南東にはターマニャヒルが見える。登頂済み。
今回、カモカポ山に登ってわかったことがひとつある。
2015年に登ろうとして途中で挫折したフンメ山。あそこの登山路はここと似ている。あのときは建築資材を歩荷したのだから他にルートがあるはずと思って引き返してしまった。だがミャンマー人はこんな岩にしがみつきながら山頂にパゴダを建てているのだ。
もし今度フンメ山に挑戦することがあれば、絶対に登頂してみせる。
(2019年02月24日訪問)