バンブイコン僧院

パプン街道から見える小山の麓にある僧院。

(ミャンマーカレン州パアン)

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きょうはコーピャタン洞窟寺を発見できたので、目的はすでに達成できた。だがまだ少し時間があるので、もう少しこのエリアを見てみよう。

以前、大きな湖でたも網漁をしている風景を紹介した。

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その記事のなかで、遠くに見える小山にいずれ行ってみたいものだ、と書いている。

残りの時間を考えても行けそうな距離感なのである。

ちなみに前回は乾季の12月で湖にはたくさんの水があったが、暑季の3月には湖はずいぶん小さくなっている。

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目的の山を目指しパプン街道を北上する。この街道を150kmほど行った先にあるパプンは(おそらく)カレン民族同盟の中枢がある場所だ。つまりカレン州の中でも特にデリケートな地域へ向かう街道であり、何人もから「この街道はヤバイよ」という話を聞いている。

でも50km先のカママウン村までは立ち入りOKということも聞いたので、いまいるあたりは大丈夫だろう。それに、なにせ以前に別ルートでカママウン付近のウェピャン洞窟まで行ってしまったので、いまさらなのである。

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とはいえ、初めて自分の運転で走る道でもあり、通常以上の緊張感はある。

周囲の何もない潅木の森も、どこか不安をかき立てる風景だ。

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しばらく走るとひなびた村に入った。

道の先に岩山が見える。

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だがこの岩山は目的の山ではなかった。

採石場はあるが、パゴダはなく、お寺もないようだった。

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その先に目的の山が見えてきた。

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山への入口にはお寺の総門があった。

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枝道を入る。

しばらくは村の中を抜けていく。

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村の森が切れると、目的の山への一本道に出た。

おおおぉーっ! 思ったより雄大な小山だ。

鍾乳洞のひとつもあってもおかしくない。これは期待が高まる。

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寺の敷地の入口には独立した小さなパゴダがあった。

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これは何なのだろう? 宝物展示館?

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中に展示されている宝物はこんな・・・。

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寺までのアプローチは雄大だったわりに、境内に入るとどこに参詣したらいいのかよくわからない、とりとめもない伽藍配置だ。

しかたないので、とにかく山のほうへ行ってみよう。洞窟があるとしたら山へ向かう道にあるだろうから。

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途中から道がなくなり森の中に入った。

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その森で面白いものを拾った。ソリザヤノキの種だ。

ミャンマー語ではチャウンシャアリ(猫の舌の果実)というらしい。グライダーのように滑空する。薄膜の部分はまるで昆虫の翅のようで、昆虫と植物が同じ形態に収斂した進化の様子はとても興味深い。

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日本でもカエデの種が竹とんぼみたいに滑空する。山で谷から吹き上げる風に乗って、尾根を越えて隣りの谷に飛んでいくのを見たことがある。

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山すそまでいってみたが、洞窟らしいものは見当たらない。

う~ん、あると思ったんだがなぁ・・・

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小さなパゴダがあった。

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そのパゴダから山に登る狭い道がある。

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一応登ってみようか。

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けっこう険しい道で、葉が積もっていて滑るので、両手で岩にしがみつきながらの登りだ。

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少しのぼるとまたパゴダがあり、少しだけ景観を眺められる。

汗だくになってきたので、ほんのわずかここで休憩。

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そこから先はさらに険しくなり、ハシゴが多くなる。

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これはどうなんだ?

だいぶ登っているが洞窟がありそうな感じではなくなってきた。

カモカポ山に登ったときと似ている。

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こんな壊れかけたハシゴもある。ほとんどハシゴが役に立たないので、岩場にしがみついてクリアした。

だがどこまで上っても険しい斜面ばかり。しかも竹の葉が厚く積もっていて滑るのだ。

たぶんこの先へ進めば山頂に立てるのだろう。だが今回は登山が目的でもないし、戻る時間を考えるともう帰路につかなくてはならない。

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残念ながら、この寺は時間切れだ。

いつかこの山を登るときが来るだろうか。来ないだろうなぁ・・・

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山を下りてきたところに、得度堂と食堂があった。

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講堂らしきものもある。

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講堂と僧房は回廊でつながっていた。

いまにして思うとこの山は、登ったりせずに山すそを左回りに巻くべきだったかもしれない。

もしもう一度このエリアに来ることがあったら、確認しよう。

(2019年03月07日訪問)