午後少し時間ができたので、ミャインジーグー街道方面へ行ってみることにした。
最初に行ったのはノンカミャイン僧院。
ノンカミャイン山の北麓にあるわりと大きな僧院で、実は以前に立ち入ったことがあるのだけれど写真を撮っていなかった。今回、裏山に洞窟がないかどうかチェックするために再訪。
長い参道の突き当たりにモン様式の伝統的な僧房が見えてくる。このお寺のキービジュアルだ。
これが僧房。
「モン様式」というのは、私が勝手に決めた名称なのでミャンマー人からしたら「勝手に様式名作るなよ!」かもしれない。
このように僧房のメインフロアが2階になっていて建物の外付けの階段から2階へ上がる間取り、屋根は切妻を重ねたような層塔型式の建物をモン様式と言っているのだ。
それと、この天井のように四角形の枠を重ねたような折り上げ天井もモン様式の特徴のひとつだ。
ちょっと階段を上がって僧房の中の様子を見せてもらおう。
僧房の中。
修行僧はこの広い部屋で雑魚寝するのだと思う。
僧房からは西のほうへ回廊が延びている。
その先には
食堂とは仏教寺院の必須構成要素のひとつで、修行僧が食事をする場所。
かなり広い食堂だ。かなりの人数が入れそう。
寺主催のお祭りなどがあって在家の人々を接待することがあるのかもしれない。
もう昼過ぎなので食卓はこのように片づけてある。
ミャンマーの僧は1日2食で、午後には食事を取らないのだ。
僧房と食堂のあいだには小さな仏殿がある。
パゴダにはペアとなる石柱のタコンタイが立てられるが、仏殿にもタコンタイが併設されることがある。
そもそも仏塔が仏陀を表わす記号なので、仏殿も仏塔も同じものと考えられる。
仏殿の内部。
タコンタイは小窓がたくさん開いた、灯台のような形状。もしかすると最上部が夜に光るのかも知れない。
食堂の北側には新しい建物がある。
これは想像だけど、1階が僧房、2階が講堂ではないかと思う。建物の様式はモン様式ではなく、層塔付きの典型的な僧房建築。
続いて、東半分の伽藍を見ていこう。
この建物は僧侶の住宅ではないかと思う。日本でいう庫裏。
その左側には小さな層塔付きの建物。
その外観から
そのさらに左側には柵に囲まれたお堂があった。
ぱっと見に得度堂のような雰囲気だけれど、周囲に結界石がないから他の用途の建物なんだろう。
堂の後に菩提樹が1本植えてある。
何か特別な儀式をする建物なのかもしれない。
そのさらに左側には、やはり塀に囲まれたパゴダ。パゴダ拝殿付き。
「パゴダ拝殿」とはパゴダに併設された遥拝所で、私の造語。
パゴダとパゴダ拝殿を横からみるとこんなふうになっている。
さて、肝心の洞窟なのだが、修行僧がいたので聞いてみた。
「この寺に洞窟ある?」
「この寺にはないけど、あっちのほうに行くとあるョ」
修行僧が教えてくれたのはたぶんノンカミャイン洞窟寺のことだ。これでこの僧院に洞窟がないことが確定した。
山に面したお寺では、僧院(=修行用)の場合には洞窟がないことが多く、パゴダ(=参詣用)の場合に洞窟が付属するというケースが多いようだ。
(2019年07月17日訪問)