チャウタロン西山を右回りに巻いていく。
そろそろ一周するかな? と思った瞬間に予想外のものが目に飛び込んできた。
洞窟だ!
一つの山にいくつも洞窟があるなんて期待もしていなかったので自分でもビックリ。
洞窟入口の横には小さなパゴダがある。
とりあえず、パゴダの小山に登ってみる。
うん、特にこれ以上のものはなさそう。
続いて、洞窟へ入ってみよう。
名前は「မြတ်စောညီနောင်လှိုင်ဂူ(ミャッソゥニィノゥンライン洞窟)」かな? 長いので見出しは「ノゥンライン洞窟寺」としよう。
洞口にはゴチャゴチャ道具が置かれている。
工事中らしい。
近くまで行ってみると、仏龕を作っているのだった。
留守だったので確認はできなかったが、たぶんお坊さんのセルフビルドと思われる。
上座部仏教の国々では僧侶は基本的に労働せずひたすら信仰に身を捧げるとされているが、このあたりのお坊さんは自分でお寺を修繕したり、車を運転したりもしている。いまこの洞窟寺院を盛り上げるために、仏像を作っているのだろう。
仏の顔だけれど、これは仏龕でおそらく壁にぺたぺたとタイルみたいに貼っていくのだと思う。
仏像は型取りするみたいで、原型を専用クレイで作っていた。けっこう腕が立つな。
洞窟は左右の2つのルートに分かれている。
まず左のほうから入ってみる。
この仏像も全部セルフビルドなんだろうか。たぶんそうなんだろうな。
またまた、両手をついた印相の仏陀発見。
しかも足をボウルに浸けているという見たことがない造形。
洞窟の天井の窪みには天部の神。毘沙門天的な神様だ。
洞窟は狭いながらも奥に続いている。
このあたりの仏像はまだ彩色されていない。
途中からコンクリの床がなくなり、工事中ゾーンに。
25mくらいで左の洞窟は行き止まりになっていた。
全体の1/3くらいしか寺院化が完了していない。
続いて、右のルート。
入口には傘蓋仏。印相は右手で指さして、左手は安堵させるような形。なんか同時に2つのサインを出されているみたいで混乱してくる。
右の洞窟はけっこう大きくて奥も深い。
お寺の洞窟はパゴダと同じで、基本的には履物を脱いで入るのがマナー。でもここはまだ工事中で石がゴロゴロしているので、申し訳ないがサンダルのまま入らせてもらおう。
洞窟の中央が川になってけっこうな水が流れている。
地面は粘土が積もっていて、歩くとめり込む。
これまで貫通型の鍾乳洞の床にこのような粘土が積もっていることがあって、水が流れた跡ではないかと推論してきたが、それらはこうやって出来たのだろう。
洞窟は基本的に1本道だが、支洞はいくつかあった。
この上に伸びる支洞なんて、登ったら吸い込み穴につながっているかも。
二次生成物はフローストーンが中心。
内部には電気が来ていて、祭壇を照らしていた。
これはたぶん、二十八仏。
まだ仏像を設置している最中だった。
それにしてもぬるぬるで歩きにくいな。
主洞の最深部、岩の割れ目に2体の仏陀が祀られていた。
2体の仏陀が置かれているのはどんな意味なんだろう。
最近タトンでも見たけれど、それは2つの願いを込めたというものだった。
この洞窟は貫通型で出口の光が見えた。
でも、そこへの道は水没している。
ズボンをめくって入ってみたが、深いところは腰くらいまで水があるためとても進めない。
出口まで見えたので、ここで引き返そう。
いったん洞窟から出て、反対側の洞口へ回り込むことにした。
どうやらこのあたりに洞口がありそう。
このパゴダ、2014年に来たときに呑気に写真を撮っていたことを思い出すよ。まさかパゴダの裏側に鍾乳洞への入口があったとも知らずに。
まぁ、団体行動だったのであまりウロチョロできなかったというのもあるのだが。
鍾乳洞の裏側の洞口。
こちらはやっぱり裏口ということでいいのかな。
洞口の横の窪みに仏陀が祀られていた。
洞口からすぐが水没している。
洞窟のこちら側が低くなっているのだ。
この一角は公園のようになっていて、池やお堂がある。
池の周りには、クジャクやペンギンのコンクリ像。
きょう見たお店で売っていたのと同じようなラインナップ。
ちょっと気持ち悪いパンダ像。
ちょっとどころじゃないか。
これはモン民族の英雄かな。
庭の中の山に登れるようになっている。
登ってみよう。
橋を渡って仏殿のほうへ行くレイアウト。ミャンマーのお寺ってこういうところが上手い。
仏殿は特に変わったところはなく、洞窟などはなかった。
印相は手のひらを上に重ねた形。
いやー、チャウタロン西山は登山、洞窟、仏教庭園の3つが楽しめる素晴らしい仏教テーマパークだったのだ。
仏教庭園の前には仲見世の長屋が作られている。
まだ入居者が3軒ほど。
でもこれだけのお店が必要なくらい、この一帯を観光地として開発していくつもりなのだろう。
入居しているうちの一軒でジュースを飲んで水分補給した。
きょうはあと1ヶ所、行ってみたい場所があるのだ。
(2019年07月18日訪問)