サルウィン・パアン橋の西詰めにあるバットケーブ。
この鍾乳洞には大量のコウモリが生息していることは以前に紹介している。
パアケ僧院(バットケーブを所有する寺)の門前にある、何の変哲もないこの家。ここが実は、洞窟内のグアノを採取、販売している問屋だったのだ。
家の裏の倉庫には土嚢に詰められたグアノがうずたかく積まれていた。
グアノの収穫は年に1回、収穫の権利は入札で決まるとのこと。また、バットケーブのコウモリの頭数は400万頭いるらしいとのことだった。
肥料袋の中を見せてもらった。
日本の完熟堆肥と同じような感触で、臭いもなくサラサラしている。さわってもまったく汚いというような感じはしない。
日本の堆肥は牛糞や豚糞におがくずを混ぜてよく切り返し、好気発酵させたものだが、このグアノは純度100%のコウモリ糞。
コウモリは昆虫などを食べているので、バットグアノは植物の三大栄養素の窒素とリン成分を多く含む優良な有機肥料とされている。
品質はかなりよさそう。
値段は一袋約1,600円。30kgくらいあるかな? 日本のホームセンターなどで売っている化成肥料の価格に近く、ミャンマーの農家にとってはかなりの負担感だと思う。
こちらはグレードの下がるグアノ。洞窟の壁や床にこびりついたものを剥がしたりしたので、土が混ざっているという。1袋500円。
年1回収穫されたグアノはその年にすべて売り切れるという。
それでも、400万頭でこの量か。
日本でも天然グアノって流通してるけれど、化石になって鉱石化したものは別として、いったいそんな大量の天然グアノがどこで採取されているのだろう。
(2018年04月04日訪問)