福田の共同墓地

区画分けされていない砂地の霊園。

(香川県小豆島町福田甲)

写真

福田の町外れまで来ると、引導場付きの墓地があった。

せっかくなので見ていくか。

先ほど吉田集落で「本村(ほんそん)は最近まで土葬だった」という話を聞いたので、もしかしたら何か違いがあるかも知れないと思ったのだ。

写真

引導場はスレート瓦葺きの古そうな建物。築50年くらいいっていそう。

写真

引導場の内部。

蓮台とベンチのような台があった。

もしかすると蓮台には厨子か仏像を置き、ベンチのほうに棺を置くのかもしれない。

写真

墓地はこれまで見たような区画分けがない。

真砂土のうえに直接墓石が置かれているだけである。

写真

墓碑銘はほとんどが夫婦か個人の戒名。○○家之墓タイプはわずかにあるが、新しい墓石も個人の墓石が多かった。

時刻はもう17時半だがよく見るとお墓参りに来ている人がいる。話を聞いてみると、お墓参りは日課だという。

これまで小豆島のお墓で、手向けられた花が枯れていないのが気になっていたが、やはり毎日のように花と水を替えていたのだ。

写真

この霊園には無縁仏塚のようなものが見当たらなかった。そのかわり墓じまいしたと思われる墓石が置かれている空き地があった。

写真

墓地の一角にあった倉庫。

中に野道具や霊柩車がしまわれているのかなぁ。

(2006年10月08日訪問)

土葬の村 (講談社現代新書 2606)

新書 – 2021/2/17
高橋 繁行 (著)
筆者は「土葬・野辺送り」の聞き取り調査を30年にわたって続け、平成、令和になっても、ある地域に集中して残っていることを突き止めた。
それは大和朝廷のあった奈良盆地の東側、茶畑が美しい山間にある。

amazon.co.jp