風穴庵

札所29番。本堂の裏手に風穴がある。

(香川県小豆島町神浦甲)

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三都半島をひたすら南下。道は狭く半島の斜面をうねうねと抜けていく。

三都半島は東京人が西伊豆に行くくらいの感覚、小豆島の住民でも生涯に数えるほどしか来ることがないような場所なのではないか。

その半島の山の中に、小豆島八十八ヶ所霊場の第29番、風穴庵がある。

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無住のさびしいお堂だった。

参道を入ると鐘堂、RC造の本堂がある。

風穴庵(かざあなあん)」の名前はこの寺の境内に風穴(ふうけつ)があることに由来するという。

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本堂の内部。

祭壇にたくさんの石仏が並んでいる。たぶんほとんどが地蔵菩薩。

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特に目立つのが賽銭箱の上で寝ている、寝仏。

清滝山にも地蔵菩薩の寝仏があったけれど、小豆島の人たちは寝仏というと地蔵菩薩なのかな。

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本堂の裏側の風穴を見てみよう。

本堂の裏手には愛宕堂と、蘭塔がいくつか。

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風穴はすぐそばにあった。

人間が入れるような洞窟を期待していたのだが、石垣のすきまから冷風が出るタイプの風穴だった。白く見えるのは氷などではなく、塩。

季節はもう10月で周囲の気温も高くないため、本当に冷たい風が出ているのかははっきりわからず。まあ、風穴ってそういうものだよね。夏に行かないと感動がない。

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風が出る穴は全部で3つあるようだった。

一般的に風が出るタイプの風穴は、手前に建屋を設けて冷風を溜めて貯蔵庫にすることが多いが、ここは何かに利用されているという様子はなかった。

(2006年10月09日訪問)