あたりは夕方のしっとりとした空気がたちこめ、寺を囲む谷には秋の鹿の切ない鳴き声が響く。
伝法川上流のどん詰まりにあるお寺、護国寺。きょう訪問する最後のお寺になる。
思ったより大きなお寺だ、堂宇が多そう。時間があまりないときに堂宇の多いお寺とか、困っちゃうなぁ・・・
まず駐車場に納経所がある。
ただし、小豆島八十八ヶ所霊場には含まれてはいない。
同じく駐車場に面して本堂がある。本堂は床下が高く、懸崖造りのような2階建てのような造り。内部は護摩堂になっていた。
普通のお寺では本堂は庫裏の側にあるものだが、この寺では庫裏は左手の林の中に離れてあるようだ。すぐに概要が把握しづらい伽藍配置だ。
本堂の左側に薬医門が見えるが、こちらはこの寺のメインの拝観コースとなる奥の院への入口。
山門を入ると、山門の下部に小さな鐘堂。
山門の扁額の文字は岸信介の手によるものだという。
山門を入って少し進むと、左右に梵字が書かれた岩の門がある。
この岩を阿吽の岩と呼んでいるそうだ。
ここから本堂のほうを見ると、九輪があるせいで一瞬、塔があるのかと見まがう。
少し石段を登ると不動堂がある。
石段はまだ続く。
この階段は現在はコンクリで補修されているが、元々は石段で弘法大師が一夜で作ったとかなんとか・・・
奥の院ルートの最深部に到着。
左側に鎮守堂(写真)、右側に薬師如来堂がある。
薬師如来堂は近影を撮り忘れ。2つ前の写真にチラリと写っているが。
この場所は滝行場になっている。
鳥居の扁額には八大竜王の文字。
水の成分分析表もあり、積極的に水を持ち帰ることを勧めていた。
滝の水は龍の形の吐水口から流れ出ていた。山水を引いて造った行場なのだろう。
鎮守堂の横にも小さな鎮守社が2つある。
滝のまわりには十三仏霊場。
奥の院から下山。
今度は本堂のほうへ行ってみる。
本堂の横を降りて行くと庭園があり、そこに水子地蔵堂がある。
あたりは野趣あふれる庭園になっている。
でもお堂の写真はちょっと撮りにくい。緑の屋根は慈母観音堂、瓦屋根の建物は庫裏。
ん? 本堂の左上の山に何かある・・・。
鎖場だ! 洞窟から鎖が出てる!
ん~~これは行きたいところだが、きょうはここまでだ。農村歌舞伎の会場へ向かわなくちゃならない。
今度来ることがあればぜひあそこまで行ってみたいものだ。
護国寺は小豆島八十八ヶ所に含まれていないため極度に情報が少なく、行ってみて初めて面白い寺だとわかった。
時間切れでグダグダになってしまったのがとても惜しまれる。
(2007年10月07日訪問)