立江寺の山門の前にドブ板のある細い横丁がある。四輪車がすれ違うのが難しいような細道だ。
この細道を入ったところに大きな倉庫のような建物がある。
これがその建物。
映画館の跡である。
名前は不明。近所で聞き込みをしたが、名前はなかったという証言が多いので、本稿では名前を「立江の映画館」としておく。少なくとも「立江座」でも「立江劇場」でもないことは確かだ。
この映画館を建てたのは外地から引き揚げてきた人で、しばらく移動映画を営んでいたという。その後、この小屋を開業したが、営業期間は短かったようだ。
ちなみに立江にはこの映画館のほかに、芝居小屋もあって全盛期には恩山寺のほうの人も山を越えて見にきたものだという。
現在は倉庫になっているというので、内部の設備、客席などは残っていないだろう。
2021年現在、この建物はすでに取り壊され駐車場になってしまっている。
(2004年11月13日訪問)