小出屋の集落は姫街道の両側にあり、先ほど紹介した崖屋は街道から見て谷側の家並みになる。
これから、街道の山側のほうへ行ってみる。
街道の山側の家並みは普通の2階屋だ。
妻入りで真壁の土壁の家があった。どちらかというと長野に多い作りで、群馬ではあまり見ない。
ほとんどがかつての養蚕農家だが群馬県に多い煙出し櫓を載せた家はまったく見られない。これはこの地域の特徴だと思う。
つづら折りの坂を登っていく。
不思議な妻飾りのある家があった。
もしかしたら単に屋根を葺き替えたときに棟飾りを外して取り付けただけかもしれないが。
二十三夜塔と庚申塔。
少し登ったところに「下仁田
いろいろなところで書かれていると思うが、下仁田ネギは下仁田町のごく狭い範囲の畑でしか本来の味にならないと言われている。(こういう話、本当にそうなのかはわからないので安易に乗りたくないのだが。)
この集落に来たのは、写真奥に見える神社へ行くためなのだが、行き方がよくわからず、農家で道を尋ねることにした。
すると、その家が下仁田ネギを都会に住む家族にネギを送るために選別しているところだった。
これがそのネギである。
この写真を見て、多くの人は「これ、下仁田ネギと違うんじゃない?」と思うかもしれない。
実は下仁田ネギが育つ土地は2ヶ所あり、ひとつは長野道下仁田I.C.に近い
多くの人が下仁田ネギだと思っているのは「馬山のネギ(ダルマ系)」の系統なのだ。ここ西野牧あたりで作られている系統は「山のネギ」と言われる別系統の品種になる。
馬山のネギのほうが形質に特徴があり、下仁田ネギの代表となっているが、山のネギはその原種だと考えられている。このお宅はその原種を育て続けている農家だったのである。
はねたネギを少しわけてもらった。
山のネギは馬山のネギに比べるとやや迫力不足は否めないのだが、食味はこちらのほうがいいといわれ通好みのネギだという。でも山のネギは八百屋などで売っているのを見たことがないのだよね。生産量が少ないのかね。
あとでうどんにでも入れて食べよう。
(2020年12月07日訪問)