館林市や邑楽町、千代田町あたりを車で走っていると、帯状の平地林があることに気付く。
これって内陸砂丘だよね?
以前から気になっていたのだが、きょうはそのうちの1ヶ所の丘陵を友人とともに見に来た。
この場所は館林美術館や多々良沼という観光施設の近くなので、何度か横の道を走ったこともあって土地勘もあり、最初にチェックすべき砂丘としては最適だと思ったのだ。
砂丘の高さは3~5mほどで、植生はアカマツが目立つ。砂地で栄養に乏しく薪炭林として利用できない土地だったのだろう。
この地形は3km以上続いていて、日本最大の内陸砂丘と言われる志多見砂丘よりも総延長が長い。
ただ、利根川南岸の加須市付近の砂丘が利根川が運んできた川砂が吹き寄せられたものなのに対して、館林付近の砂丘は火山灰が積もったものらしい。利根川北岸の砂丘は風向きからして、赤城山南面や渡良瀬川の扇状地の表土が吹き寄せられるからだ。加須と館林はいずれも内陸砂丘ではあるが、やや性質が違っているということらしい。
扇状地の表土の移動はすごくて、いまはどうか知らないけれど、私が子どものころは桑畑が多かったからか冬の季節風で砂嵐のようになり、JR両毛線なんて枕木が埋没してレールだけが砂から出ているというような状況だった。その砂が自然堤防に吹き寄せられて砂丘になったというのは想像に難くない。
松林は遊歩道になっているので、砂丘について解説した案内板でもないかと歩き回ったが見つからなかった。
加須市では「砂丘通り」などの名前を付けたりしてアピールしているが、館林市はどうやらこの地形には関心がないみたいだ。
多々良沼側から砂丘の西斜面を見たところ。
遠目にも砂丘の風情が感じられる。
多々良沼の東岸にいくつか駐車場があるので、砂丘の見学はやりやすい。
館林市立美術館や高根運動公園の駐車場も砂丘に近いのでオススメだ。
駐車場のすぐ近くに、芝が貼ってある丘があった。
これも砂丘なのかな? 砂丘の見学をしやすいように表土を剥いだのか? それともこれは何らかの公共事業によって生じた人工の土盛りなのか?
高さは6mくらいはあるだろうか。
上に登ると多々良沼や西上州の山が見渡せる。
ただ、なにせ案内板もないのでこれが本当の砂丘なのかがわからない。
加須の砂丘は川砂で出来ているので表土を見れば判別ができるが、火山灰土は北関東を覆うの土壌なので表土を見ただけでは判断できない。
人造的な丘のすぐ東側に自然の微高地がある。
こちらは自然地形で間違いないだろう。
砂丘の大部分は保安林になっているので、造成されたり、埋め立てられたりすることはないからこの風景がすぐに失われることはない。
加須の砂丘が砂地でわかりやすく、人々の興味を惹いているのに、館林の砂丘はほとんど関心が持たれていないのがちょっと残念な気がした。
(2022年02月11日訪問)