川田谷の富士塚

赤土の土坡でできたシンプルな富士塚。

(埼玉県桶川市川田谷)

例年ゴールデンウイークは仕事が立込むのだが、今年は少し余裕があるのでさいたま市方面に遊びに行くことにした。

群馬県からさいたま市へ行くのはちょっと面倒だ。正解は関越道→外環道→新大宮バイパスなのだろうが、一度東京まで行って戻ってくることになり、時間的には早いのだろうが「通り過ぎることと戻ることに高速料金とガソリン代を使う」っていうのが精神衛生上良くないので、圏央道の桶川 I.C. から国道17号線を南下することにした。

このエリアにはいくつか見てみたい富士塚があるので立ち寄ることにした。

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しばらくして国道を離れて細道を進む。あたりは大宮台地で緑の豊かな田園地帯だ。

関東ローム層の赤土の畑の法面にはジャノヒゲできれいに栽植され、手入れが行き届いて気持ちがいい。

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目的の富士塚は石川川という小さな排水の崖線にあった。

西側には階段があるが、メインの入口は東側のようだ。

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南側から見た様子。

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東側に車を停めて富士塚へ向かう。

駐車場はないけれど、交通量の少ない道なので路上駐車で問題ない。

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富士塚は大きな樹が茂っていて、塚としての主張は少ない。

神社の社殿もないので、どちらかというと円墳かなというイメージだ。

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塚の法面は土坡で、溶岩なども配置されておらず、赤土が剥き出しのまま。登山道や道標もないので、一直線に山頂に登るようになっている。

富士塚のギミックとして、曲がりくねった登山道ってけっこう重要なので、こうしたあっさりした造りはちょっと物足りない。

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塚のふもとには下浅間神社がある。

実際の富士山のふもとにある富士吉田市の小室浅間神社の分祀なのだろう。

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塚の斜面には主に板碑が配されている。

こちらは登山記念碑。昭和8年7月20日登山、同9月2日建碑とある。

文化財の案内板によれば大正末期まで地域で山開きをしていたというが、実際はもう少し後まであったのではないか。

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食行身禄霊神と小御嶽神社。

食行身禄(じきぎょうみろく)とは江戸中期の富士講の先達だ。

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山頂には富士嶽神社の碑。

樹が多いので展望はない。

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ほかに小室神社の分祀があった。

(2022年05月02日訪問)

今こそ行きたい日本の神社200選 (TJMOOK)

ムック – 2022/7/26
島田 裕巳 (監修)
本誌は22社、神宮、大社といった社格の観点に加え、地域ごとの特徴的な信仰なども鑑み、訪れるべき神社200社を厳選。その神社ならではの宝物や建築物といった見所を紹介するほか、祭神の歴史や由緒を写真とともに解説します。

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