大宮盆栽美術館訪問から2日を開けてのさいたま市再訪。実は盆栽美術館と同時に"盆栽村"を散策する予定だったのだが、天気が悪かったのと、業者さんが盆栽まつりの出店準備をしていたので、せっかくなら祭りの当日にもう一度出直すことにしたのだ。
きょうは5月5日で、3日間開催される祭りの最終日。好天に恵まれた。
盆栽村の場所は東武野田線大宮公園駅の北側で都内からの交通は便利。
ただ私たちは群馬から車で訪れたのだが、盆栽村自体には駐車場がない。平日ならば盆栽美術館の有料駐車場を利用するのがいいが、まつりの当日は満車の恐れも高い。そこで駐車場仲介サービスを利用して大宮公園駅付近に車を置いた。転勤などで使っていない個人の家の駐車場を1日借りることができるサービスで、首都圏の非商業地で近くにタイムズ等がないときにも割安な駐車場が見つかる場合がある。
大盆栽まつりが行なわれるのは、盆栽町という住所の住宅街。中心は駅北側のかえで通りで、そこから蔓青園という盆栽屋さんにかけてのエリア。
盆栽町は田園調布などと同様に大正時代に開発された郊外型の住宅地で、盆栽を持つことや平屋しか建てないといった入居条件があった。関東大震災で被害を受けた東京の本郷界隈の盆栽業者が中心となって移転したという。当時はものすごく遠い田舎だったろうが、現代では駅からも近い閑静な高級住宅街となっている。
盆栽まつりの内容は盆栽の展示即売会といった感じのもの。道端に露天商が並び、それぞれに盆栽を販売している。対象は個人客で、盆栽小売り業者が仕入れをするような場ではない。完全なBtoC。
行ってみて驚いたのは、客層がものすごく若いこと。10代~30代くらいがメインだろうか。
盆栽というとおじいちゃんの趣味で、巣鴨の地蔵通りみたいな雰囲気かと思っていたら、まったくそんなことはなかった。どちらかといえば松本クラフトフェアを盆栽に特化したような感じ。
販売している業者も若い人が多く、展示品の撮影許可をお願いしても気持ちよく応じてもらえる。
価格はピンキリだけど「高くて見るだけ」ということはなく、一目ぼれした盆栽に出会えれば普通に買って帰れる価格帯だ。
エリア内には4ヶ所の盆栽屋さんもあり、内部も開放している。
ただし盆栽屋さんの中は撮影禁止。著作権等の問題ではなく、撮影に夢中になって盆栽にぶつかってしまう事故を嫌ってのことだろう。
すべての盆栽屋さんを見ると、相当の点数の作品を見られるので数時間は必要になる。
駅から一番遠い蔓青園さん。
大型の盆栽が敷地の外にも置かれている。
わたしはこれまであまり盆栽に興味がなかったので、盆栽というと学校の卒業式とかで体育館の舞台上にでっかい黒松がうやうやしく置かれているもの、っていうくらいのイメージしかなかった。
でもミニ盆栽というジャンルはとってもカジュアルで、オフィスの机の上などに飾ってもいいようなものもある。
樹種もいろいろ。
桑の盆栽があったので購入してみた。
盆栽用品の業者も出店している。
小さな鉢もいろいろな種類が選べる。
鉢にそえる模型。
こういうジャンルあるって知らなかった。
北東エリアの四季の家の前の通りでは個人の作品展示が行なわれている。
地域の小学生の作品も並んでいる。学校で盆栽の授業があるのだろう。
想像していたのと違って、若い人中心で活気のあるイベントだった。盆栽に詳しくない人が行っても周囲から浮くことはなく楽しめる。
まつり全体と町内の施設を軽く見るだけで2~3時間は必要だ。
(2022年05月05日訪問)