盆栽村のメインストリートともいえるかえで通り。その通りに面して「さいたま市立漫画会館」という施設がある。
漫画? 手塚治虫とか藤子不二雄なんかが描いた、いわゆるマンガのこと? それをさいたま市が運営してるの???
入館無料ということなのでとりあえず入ってみよう。
中に入ってみると、、、、あれれ? 思ってたのと違う。
明治時代に活躍した中沢楽天という風刺漫画家の業績を説明した資料館だった・・・。
楽天というと、高崎市の洞窟観音の付帯施設である徳名園でも収蔵作品が展示されていて見た記憶がある。
楽天は大宮出身で『時事新報』という新聞社で時事漫画を連載して人気になった人物。明治30年代のことだ。これらが日本における漫画のルーツともいえるものなのだという。
その後楽天は時事新報社を退職し、漫画雑誌『東京パック』を創刊した。フルカラーの漫画雑誌だったという。
こうした楽天の業績がパネル展示で見ることができる。
とは言えね、、、ドラゴンボールとかワンピースみたいな、大多数の日本人が考えるマンガが見られると期待して入館すると相当にがっかりすると思う。特に子どもには退屈以外の何ものでもないだろう。
私も正直、彼の業績とか画力は別として、漫画としての楽天の作品自体にはあまり興味が持てない。
漫画が相当儲かったのか、あるいは、楽天の実家が太かったのか、引退後彼はこの盆栽村にスタジオを建てて後進の育成につとめたという。死後、屋敷は市に寄付されこの記念館が建てられている。
このことは、盆栽村が単なる業者の街ではなく、文化人が居を構えたくなる高級住宅街、田園都市だったということがわかる。
現代のマンガに関する資料も少しだけあった。
こちらはさいたま市が舞台として登場するスポーツ物マンガのリスト。
・・・読んだことのあるマンガひとつもない。
市営で無料なので、大盆栽まつりの人いきれで疲れてしまったときなどは庭で休憩したり、お手洗いを借りたりしてもいいと思う。
もちろん、楽天のファンには必須の美術館だ。
(2022年05月05日訪問)