奥武蔵グリーンラインの帰路。
暗くなったのでせっかくだから女影の辻時計の夜景を撮影し、そのまま狭山で夕飯を食べた。
往路は国道254号線を通ったので、帰路は国道17号線を通ることにした。往路と復路は極力違う道を通る主義なのだ。狭山→川越→上尾という感じで移動して17号バイパスへ入るわけだが、今夜はちょっと趣向を変え、荒川を渡るのに
この橋のある場所は上尾の河岸と渡船場があった場所でもあるのだが、GoogleMapsを見ているとその東詰めに気になるものがある。
それがこれ、「ドラえもん地蔵」である。
ドラえもんの石造物は中国で製造されたものが国内にかなり入ってきていて、いたるところで見かける。大半は著作権者の許諾を受けていない違法商品と思われるのでどうして輸入できるのか謎だ。噂では法に抵触することに気付いた石材店がお寺などに寄付したため、お寺に祀られる顛末となったものも多いという。
だが、このドラえもん地蔵は、あきらかにそうした違法商品ではなく、正規に許諾されたものである。
ドラえもん地蔵とされているものは、たぶんアート引越センターの景品のドラえもん冷温庫(非売品)。材質はかなりしっかりしてそうで、ABS樹脂か。
奥側に新しく設置されているのは食玩の貯金箱。材質はおそらく汎用プラスチック。
これらがなぜ「地蔵」と呼ばれているのか、果たして現実に信仰されているのかは謎のままである。ただ、石像のドラえもんとは一線を画したオーラを感じさせてはいる。
もしこれにわずかでも信仰の要素があるのなら注意深く見守っていかなければならないと思う。福助、ビリケンさんのようにマスコットが信仰の対象に変化することは過去なかったわけではない。
特にこれは材質が樹脂であるという点が興味深い。はたして樹脂でできた物体を人は信仰できるのか、という点においてである。
SFアニメの佳作「トップをねらえ2」の冒頭、1万2千年の未来で製薬会社のカエルのマスコットがお地蔵さまのように信仰されているというシーンがある。このドラえもんのありようは、その場面を彷彿とさせる。
このドラえもん地蔵がこれから5年、10年と残っていくのか、あるいは一時のあだ花で終わるのかは、時が経てばわかるだろう。
(2021年11月03日訪問)