群馬に移住してから5月上旬は繁忙期で、長期の旅行などには中々出かけられない。それでも土曜日の昼過ぎから時間があったので、近場に出かけてみようかと思い立った。
「そういえば、中込に乾繭工場か製糸工場と思われる建物群があるな。近くなのでいつでも写真を撮れると先送りしてきたけど、こんな中途半端な午後にはちょうどいい機会だから行ってみるか。」
などと考えて、佐久市中込に向かった・・・
ところが、県道沿いに繭蔵が並んでいたその敷地は、すべての建物が撤去され、スーパーマーケットになってしまっていたのだ。
は・・・吐きそう・・・
なんか意識高そうな入居者があって、イベントとか町おこしみたいなことに使ってたようだからこの建物群は安泰だと思ってたのにっ!!
たぶん撤去されてから1年は経っていない。久しぶりに頭の中が真っ白になる体験をしてしまった。
写真はGoogleストリートビューから。
2012年のストリートビューを見ると、敷地の奥にノコギリ屋根の建物が見えるので、製糸工場なのだろう。
繭蔵、事務所、繰糸場などの建物がひと通り揃った製糸工場の遺構だったのだ・・・。
ショックのあまりわけもわからず車を走らせていたらJR小海線の中込駅前に来てしまっていた。
と、とにかく車を止めて、少し落ち着こう・・・。
すると目の前に映画館があるではないか。「佐久グランドシネマ1・2」という看板が出ている。
私はかつて徳島に住んでいたとき、映画館巡りをしたことがあった。だが50箇所以上の映画館跡を訪ねてわかったのは、私が好きなのは映画館ではなくて、芝居小屋だったということだ。
したがって、このような近代的な映画館の写真を撮ることに対するモチベーションはほぼゼロである。
ただ、製糸工場を失った混乱で、自分でもおかしくなっていたのだろう。
とりあえず、このビルの写真も撮っておくことにしたのだ。
近づいてみると、映画館はすでに閉業してしまっているようだった。
それにこの「佐久ヤングプラザ」っていう商業ビル自体がなんだか寂れている。営業しているのはサーティーワンアイスクリーム店だけだ。
そもそも「ヤング」とか「プラザ」って単語がもうちょっとヤバイよね・・・
店舗の中の様子。
映画館は2階へ上がるのかな。奥の方へ入っていくのははばかられる雰囲気だった。
2022年現在、佐久ヤングプラザは取り壊されてしまっている。
(2014年05月10日訪問)