ワニ地獄から東のほうを見ると大仏らしきものが見えた。
寺かな? これは行かなければ!
その大仏があるらしい場所に行ってみると、そこには「金龍地獄」という施設があった。
地獄組合に所属していない(一時は所属していた?)地獄のひとつのようだ。入場料は200円で、他の地獄の半額と安い。
でも入口は竜宮門ふうになっていて、よく見なければ中華レストランと見間違いそう。
いや、よく見ても、見れば見るほど中華レストランに見えてくる。表に出ている豚まんのノボリがいけない。
案内板によれば、湯の湧出量が地獄の中では最大で市内17ヶ所の市営温泉施設に給湯しているという。湯気が朝日に照らされる様子が黄金の龍のようなのでこの名前がついたとのこと。
内容は、
- ゆけむり阿弥陀様にお願い事を
- 地獄湯(温泉)が飲めます(地獄に落ちないといわれています)
- 地獄噴気(温泉吸入)ができます(地獄が逃げるといわれています)
- 【子宝の樹】があります
- あなたの生まれ年の菩薩様にお会いできます
- 極楽バナナが食べられます(有料)
- 喫茶・おみやげコーナーがあります
- オリジナルケーキやドラゴンプリンがあります
とのこと。いろいろ書いてあるけれど、何で「大仏がある」って書かないん? まず大仏でしょうが!
入場料を払って竜宮門をくぐると、いきなり大きな池が。見た感じ温泉みたいだ。
すごいなぁ。こんな温泉が、東京近郊に、たとえば綱島あたりにあったら年間50万人くらい人が来そう。
それがいくら夕方とはいえ、他の観光客はほとんどおらず、ほぼ地獄の独り占め状態なのだ。
中宮門の左手には弘法大師像があり、その横が極楽バナナ園になっている。
温泉の熱を利用した温室にバナナが育てられているという。入ってみたけれどもバナナは花がついているところで実っていなかった。
実っていたとしても規模的に、観光客が1本ずつ食べられるような供給量とはほど遠いと思われた。
池をまわりこんで行くと、築山の上に大仏が見えてくる。
温泉が湧き出すように造られた築山。
人工的なものとはいえ、析出した温泉成分が自然の驚異を演出している。
大仏は目測で、築山が4m、基壇と蓮台が2m、立像本体が4mといったところか。
大仏の周囲には八菩薩と六地蔵が並ぶ回廊がある。
築山に登ることもできる。
阿弥陀菩薩の脇侍は通常なら観音菩薩、勢至菩薩だが、ここではなぜか雷神、風神が脇侍に祀られている。
池の周りには蒸気を噴き出す龍のコンクリ像があった。
大仏とか、こういうなりふり構わない感じの見せ物って大好きだ。
金龍地獄は2009年に閉業した。2021年現在、施設は完全に撤去されている。跡地には地獄温泉ミュージアムという施設ができる予定。
(2008年09月14日訪問)