大洲の町並み

旧市街の東半分は見ごたえのある商家街。

(愛媛県大洲市大洲)

日が変わって旅の2日目。昨夜は、八幡浜→宇和町→伊方町と行ったり来たりで効率の悪い動きだったが、日が暮れてから結局伊方町の亀ヶ池温泉に入り、そのあと大洲市に移動して宿泊した。

旅程的には八幡浜に宿泊するのがよさそうなのだが、以前八幡浜には泊まったことがあるから、今回は大洲を選んだ。

さて、きょうはきのう得た手がかりをもとに野村町方面で養蚕農家を探すつもりなのだが、せっかく大洲市内に宿泊したのだから大洲を少し観光していこう。

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大洲は古くからこの地方の中心的な町で大洲城を擁する城下町である。肱川に囲まれた旧市街地は、西側が城郭、東側が商家街になっている。

大洲城の天守閣は近年、木造で再建されたことで有名。城跡はこのあと紹介するとして、まず商家の町並みのほうを見ていこう。

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宿泊したホテルのすぐ近くにある、中一商店街のアーチ看板。このアーチ看板は以前、夜間に撮影したのを紹介したことがある。そのときは角地も商店だったが、取り壊されて更地になってしまっていた。

街の姿はどんどん変わっているのだ。

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中一商店街は、古い街道でかつての目抜き通りだ。

大きな医院があった。

表札が「内科藤本醫院」って右から左に書いてある。

ん~~~、いまでも営業しているのかな?

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隣との境には卯建のようなものがあった。

正面からはわからないが、この医院は切妻平入りの街道筋の一般的な建物で、正面をモルタルで改装した一種の看板建築である。

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藤本醫院のすぐ近くにある「新田産婦人科」

こちらはもう営業していなさそう。

ここにも卯建みたいな防火壁がある。

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中一商店街からひとつ南の路地を通ると、大きなお屋敷の黒塀が続いている。だぶん藤本医院は裏側に広い敷地があって、その勝手口だ。

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風情があるのは中一商店街よりもどちらかというと、ひとつ南の裏路地のほうで、かつてNHKの朝ドラ『おはなはん』の舞台としてロケ地になったことがあるそうだ。

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「おはなはん通り」と呼ばれる裏路地は町並みとしてかなりレベルが高い。

写真左の家の1階の軒に持送り板が見られる。これは八幡浜市に多い意匠だが、大洲ではそれほど目立たない。

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写真右端の家に注目。

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「バッタリ床几(しょうぎ)」という縁台がある。

これを下ろすとテーブルになるのだ。

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雑貨屋。

しびれるね!

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量り売りに使う秤がいい感じ。

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角に45度の壁をもつしもた屋。

昔の料理屋だろうか。

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格子や高欄、大和塀を複雑に組み合わせた民家。

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大洲神社の北参道。崩れかけた土蔵が並んでいる。

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(奥に見える高灯籠は神社の一部として、あとで詳しく紹介する。)

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中一通りの街道の外れ。

かつて肱川の河岸でもあったのではないかという崖線の路地で、大洲の町並みの空間でもっともおもしろい場所。

路地が稲妻状に曲がりながら続いている。

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文房具店のしもた屋、尾崎商店。

テントに「切手、印紙、化粧品、小間物」ってある。「小間物(こまもの)」って日本語、自分は一度も口にしたことがない・・・。

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少し移動して、城跡のほうにある本町1商店街。雁木みたいなすごく狭いアーケードがある。

こちらにもアーチ看板があった。

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食堂の前にわた菓子の自販機があった。

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これ、子どものころ近所の駄菓子屋にあってよくやったなぁ。

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料金は1回100円。

私が子どものころは1回20円だった。

料金を入れると上に見える筒からザラメが落ちてきてローター部分に入るのだけど、けっこうはじかれて周囲に飛び散るのがもどかしい。

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大洲城本丸付近にある料理店。

もしかしたらもと花街か?

(2011年10月09日訪問)

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