農業用水を確保するために、昭和13年(1938)に大野川に造られたダム。堤体の骨格はコンクリート造だが、表面は石積みになっていて、国重文に指定されている。
渇水時以外はダムの上部からオーバーフローで放水しているめ美しい水のカーテンが見られる。
農業用水のダムといっても、このダムから取水しているのではなく、ここから1kmほど下流の堰から取水している。
このダムは渇水時に川の水量を確保するためのもので、下流の堰と一体で動作するようになっている。
用水はほとんどの区間が地下を通り、豊後大野市の軸丸地区の棚田を潤すほか発電にも使われている。
オーバーフローした水の勢い弱めるため、右岸側には水がぶつかる壁が作られている。
左岸側は階段状になっている。これも水の力を弱めるためのものだという。
魚道はない。
階段の部分は半分くらい水がかかっていないところがあるので、もしかすればカニかウナギくらいは遡上できるかもしれないが、ほとんどの生物は遡上できないのではないかと思う。
昨日は雨だったため貯水池の水は濁っているが、水の量自体は通常と変わらないという。いつ来てもこんな感じの風景がみられるのだろう。
渇水時には堤体の下部からも水を抜くことができるらしいが、そうした機構は外観からはわからない。堤体内にトンネル等があるようにも見えないし。
文化財の案内板。
案内板にある、文化財指定の附帯施設「白水池碑」とはこれ。
当時の観光案内板は白水ダムの右岸から入る案内になっていたが、現在は左岸に駐車場があり、右岸への道は車両通行禁止のようなので注意が必要だ。
(2012年03月24日訪問)