西山田稚蚕飼育所のある宇和町の大字、西山田。その集落の奥に寺があったのでお参りしていくことにした。
寺の善福寺、二つ名を山田薬師という。
案内によれば、日本三大薬師ということだ。「三大╳╳」って判断がむずかしい。だいたいにおいて三番手が「ウチは三番目です」って自称することが多い気がしている。ただ「薬師」というとかなりライバルも多く異論もありそう。「日本三大一畑薬師」ですらもめそう。
山門は三間一戸鐘楼門の仁王門。
門の手前1間は空いていて、仁王は奥側の列にいるタイプ。
こちらは阿形。寄せ木造の仁王像って定期的なメンテをしないとそうしても木材の曲がりで分解しがち。
こちらは吽形。左手が欠落している。
右手の手のひらパーツも剥離しているようだ。こんなパーツ分割があるんだとびっくり。
仁王門をすぎ、石段を少し登ったところに水盤舎がある。
階段を上りきると、正面に本堂(檜皮葺き入母屋の堂)と、その前に大師堂(黒い塗り瓦の堂)がある。
大師堂はもともと本堂の左側にあったが、昭和38年(1963)の落石で押しつぶされてしまったという。
その岩はまだ境内に残っている。
新しい大師堂はもとは護符売り場的な建物だったのではないだろうか。
本堂は檜皮葺きで軒の出も深く、美しい建物。個人的には江戸趣味の唐破風向拝は不用に感じてしまうが、近代の本堂としてはかなりよいものだと思う。
外側の部材は新しく、明治~大正くらいに修復したものに見える。
本堂の格子戸におみくじがたくさん結びつけられていた。
本堂におみくじ結びつけるのって、ありそうでめずらしい。
本堂の内部。
いわゆる本堂形式だ。来迎柱には時代感があり、建てられてのは江戸期まではさかのぼりそう。
本堂の右側には錨が奉納されている。
庫裏、というか、本坊は本堂から少し降りたところにあるが、現在は無住のようだ。
落石の前には鎮守社がある。
正面が吹き放ちの茶堂形式。こういう神社は最近では大洲市でも見かけたが、もしかして愛媛県の特徴か。
(2012年03月27日訪問)