家々がある場所は微高地になっていて園瀬川が氾濫しても冠水することがない。
一方、低地の田畑は簡単に冠水する。たぶん5年とか10年に1回くらいは冠水するんじゃないだろうか。
2009年8月10日。
台風の影響で、鮎喰川や園瀬川が増水し、川への排水ができなくなり川西が冠水したときの様子。
田畑は完全に水没しているが、家々はすべて水から出ている。
過去の経験で冠水しない場所がわかっていて、安全な場所に家を建てているからだ。
たぶんこのとき川西の集落は孤立状態だったと思うが、ヘリコプターが上空を旋回したり消防団がボートで救援に来るような騒動にもならず、人々は家にこもってじっと水が引くのを待っているだけ。
これは氾濫するべき場所が氾濫している、いわば、正常な氾濫なのである。
県道は嵩上げされているから通行できた。
徳島ではこうした冠水は地方のTVや新聞でもいちいち取り上げない。ニュースバリューのない出来事なのだ。
さて、川北集落には2つの沈下橋がある。
これはそのひとつ川北東橋。
アプローチの道路のカーブも緩く、道幅も十分なのでちょっと大きめのワンボックスカーなども楽々通れる。走りやすい橋なので、私は八万温泉へ行くときにわざわざこの橋を通ることもある。
この橋の特徴は、南詰めの土手の上に祠があることだ。
もしかして過去にこの場所で堤防が切れたことがあるのかもしれない。
橋の上から川面を見た様子。
上流に比べて水量が少ないのは、川の水が伏流水になっているからだ。
川のすぐ上流側には取水堰がある。
サギやなどが魚道に陣取って通る魚を狙い撃ちにしないようにだろうか。
2009年8月9日。
川北東橋が冠水で通行止めになっていた。
橋は完全に水没している。
橋と道路は同じ高さなので、道路にも水が流れ込み、田畑も水没している。
川北集落は地蔵越方面から山道でも入れるし、土手の上の道を通って隣りの集落へも行けるから孤立するということはない。
川北東橋はその後南環状道路の関連工事で抜水橋に架け替わった。現在、土手の上の祠は無くなってしまったようだ。
(2006年12月30日訪問)