長柱橋

朝立彦神社の車参道ルートにある沈下橋。

(徳島県徳島市飯谷町)

朝立彦神社から勝浦川の谷底平野を見渡した風景。穏やかな谷底平野が東西に延び、先には紀伊水道の海面が見えている。

だが、勝浦川は平野を流れて海を目指すことはなく、徳島市方向へ向きを変えて先行谷(せんこうこく)へと入っていく。

写真

勝浦川の先行谷は約6kmほどの長さで、その区間は徳島市飯谷町がほとんどを占めている。

この先行谷区間には現在、飯谷橋長柱橋(なごしろばし)という2つの橋梁があるが、いずれも沈下橋だ。そのため増水時には通行できなくなり、左岸側に住む人々は不便だろうと思う。

飯谷橋では2001年に増水時に住民が通行止めのバリケードをどけて通行したため車が転落し、死亡事故になっている。遺族によって市の責任を問う裁判が起こされて市側が敗訴し賠償金を支払う事態になった。この訴訟騒動によってその後の流れ橋の廃橋や沈下橋の掛け替えが加速されたのではないかと思っている。

写真

長柱橋は飯谷橋から1kmほど上流にある沈下橋で、平石山や朝立彦山への登山ルートの入口になっている。住民以外がこの橋を渡るとすればだいたいが朝立彦神社への参拝だろう。

写真

橋幅は広く、四輪車が離合できる。

長柱橋のStreet View。

私もなんだかんだで数回はこの橋を渡ったことはあるが、遠景の写真があるだけで橋自体の近影はない。

勝浦川にはここから上流にも2ヶ所の沈下橋があるので場所だけを紹介しておく。

星谷橋(勝浦町生名太田)

四国霊場19番札所の奥の院、星の岩屋へのルートになっているため、お遍路さんが通ることもある。

正木潜水橋(上勝町正木藤ノ内)

正木ダムのすぐ下流にある沈下橋。

勝浦川の本流には、これより上流には沈下橋はないと思う。

(2007年08月09日訪問)

新・鉄道廃線跡を歩く5 四国・九州編

単行本 – 2010/3/30
今尾 恵介 (編集)
ベストセラーの名著が蘇る!九州鉄道旧線・佐世保鉄道・肥筑鉄道・筑後軌道・高千穂鉄道など50路線。

amazon.co.jp