以前に日開野の阿波葉農家で話を聞いたときにご主人は県内の全阿波葉農家を把握していて、その言葉の中で「スッコロゲに1軒ある」と言った。そのときは聞き間違いかと思ったが、あとで「
捨子は難読地名で語源は諸説あるようだがはっきりとしない。ただ、同じ地域の人が「スッコロゲ」と言っていたくらいだから、地元では「転ぶくらいの急峻な場所」という感覚で見られているのだろう。
きょうはその捨子地区で農家を探しているのだが中々見つからず、行き止りの道まで細かく進入している。そのときに見かけたベーハ小屋。
このお宅はかつての阿波葉だったのが黄色種に転換した農家だったのだろう。敷地内に2棟もベーハ小屋があるので相応の規模でやっていたと思われる。でもいま衛星写真を見るとそれほどの面積の耕作地があるようには見えないのだ。
それと、奥に見える空き家。
この家に至ってはどこに畑があったのか、どうやったらあの家まで行けるのかすらもよくわからない森の中。
もしかしていま私が森だと思って見ているものはかつての畑の跡なのか・・・。
右下に見えている家もここから見るとまるで崖に貼り付いているよう。
かつて葉タバコを生産した農家だ。
葉タバコは百年以上にわたって山奥の村々に現金収入をもたらし、こうした厳しい場所で人が暮らし続けることを可能にしたのだ。
(2008年07月26日訪問)