2009年は日本たばこ産業株式会社が在来種タバコ「阿波葉」の生産をやめる最後の年となる。
それと同時に徳島ではもう一つ、長い歴史を持つ産業、養蚕が幕を閉じようとしていた。その顛末と徳島の蚕糸業については『阿波國すきま漫遊記18~19話』で書くことになると思う。
このころ私は徳島の最後の養蚕の様子を見ようと、高越山の中腹の農家に何度も通っていた。
その高越山中腹の集落へ登る道の途中に、二つ櫓の目立つ土蔵がある。
これは阿波葉の乾燥室だと思う。
平側の2階相当の壁部分は現在波板で被覆されているが、かつてはこの部分は土壁で、換気窓が並んでいたのではないかと思われる。
(2009年08月02日訪問)